障害年金は働きながらもらえる!有職者の申請・更新の5つの注意点

仕事を続けられるか悩む女性

「障害年金を申請したいけど働いていても申請が通るのか不安。」
「障害年金の更新が近づいてきたけど、働いていたら更新ができないかもしれないと聴いた。」

こんな不安を抱えていませんか?

障害年金は働きながらでももらえる年金ですし、実際に働きながら持っている方も大勢おられます。

しかし、病気や障害の内容によっては、働いている場合、申請や更新の審査でマイナスの評価がされやすいケースもあることは事実です。

この記事では、仕事をしている場合の障害年金の申請や更新について注意すべき点をご説明します。

記事を読んでいただければ、働きながら障害年金の受給を目指す方法がご理解いただけるはずです。

では、さっそく見ていきましょう。

 

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1 障害年金は働きながらもらえる!

まず、大前提として障害年金は働きながら受給することが可能です。
実際にも、平成26年の統計によると、障害年金受給者のうち約27パーセントの方が何らかの仕事をされています。

国民年金の障害年金の受給者(1級または2級の方)の中で仕事をしている人の割合を見ると以下のとおりです。

【表】国民年金の受給者の中の仕事をしている人の割合

障害の内容 常勤の会社員または
公務員として勤務している人
常勤以外の仕事
(パートや障害者雇用、自営業など)
の仕事をしている人
精神疾患(うつ病や統合失調症など) 0.9% 18.4%
脳血管疾患(脳梗塞など) 1.3% 4.9%
視力障害や視野障害 5.2% 17.7%
循環器系の疾患(心臓疾患など) 4.1% 15.8%
上肢の外傷 20.1% 22.6%
下肢の外傷 9.5% 15.9%
耳の疾患・外傷(聴覚障害など) 17.9% 18.4%

関節の疾患
(リウマチや変形性関節症など)

1.2% 7.6%

呼吸器系の疾患
(呼吸不全やぜんそくなど)

0% 19.3%
腎疾患 6.8% 18.2%
肝疾患 0% 26.1%
糖尿病 0% 19.9%
がん 5.2% 14%
知的障害 3.2% 40.7%

表の真ん中の列の「常勤の会社員または公務員として勤務している人」と右の列の「常勤以外の仕事(パートや障害者雇用、自営業など)の仕事をしている人」の合計をすると、「なんらかの仕事をしている方の割合」を計算できます。

表からもわかるように、知的障害や上肢の外傷の障害、耳の疾患や外傷の場合は、2級以上の障害年金受給者のうち3割以上がなんらかの仕事をしておられます。

 

1-1 多くの障害では働いているかどうかは審査に影響しない。

障害年金の請求の対象になる病気や障害の内容はさまざまですが、多くの障害では働いているかどうかはほとんど審査に影響しません。

たとえば、あなたが以下の障害で申請を考えている場合は、あなたが働いているかどうかは障害年金の審査にはほとんど影響しないと考えてよいでしょう。

 

眼や聴覚の障害、言語の障害、手足の障害や体幹機能の障害

これらの障害では、検査数値や、言語の障害であれば実際に発語ができている程度、身体の障害であれば「
動作の制限の程度」や「手足の一部が欠けている場合はその欠けている程度」をもとに障害の程度が判断されます。

そのため、働いているかどうかは、障害年金の審査にはほとんど影響しません。

 

人工透析施行中の方

人工透析をしている場合は通常は2級になります。

人工透析をしているという事実により、等級がおおむね決まりますので、働いているかどうかは審査にはほとんど影響しません。

詳しくは、以下の記事もご参照ください。

人工透析施行中の方の障害年金の申請について

 

心臓ペースメーカーや人工肛門、人工骨頭、人工関節を装着している方

装着の事実により、等級がおおむね決まりますので、働いているかどうかは審査にはほとんど影響しません。

 


2 精神疾患や「がん」などの病気で働きながら申請するときは注意が必要。

前述のとおり、働いているかどうかが審査に影響しない障害もありますが、精神疾患や「がん」など一部の病気では、働いているかどうかが審査に事実上影響します。

しかし、これらの病気でも、症状の程度が重ければ働きながら障害年金をもらうこと自体は可能です。
以下で詳しくご説明していきたいと思います。

 

2-1 精神疾患や「がん」などの病気では、働いていると3級と判断されやすい!

あなたが精神疾患や「がん」で病院に行った最初の日(「初診日」といいます)に国民年金に加入していた場合、国民年金の障害年金は1級または2級の人にしか支給されず、3級の人は障害年金を受給することができません。

障害年金の3級が受給できるのは、初診日に厚生年金に加入していた場合のみです。そのため、初診日に国民年金に加入していた場合は、2級以上に該当すると判断してもらうことが重要です。

ところが、精神疾患や「がん」などの病気では、働いていると3級と判断されるやすいのが実情です。
その理由は以下の通りです。

 

理由1:精神疾患では働いていると症状が軽く見られやすい。

働いている場合、一般的には、「毎朝決まった時刻に職場に向かうこと」や「職場のメンバーとコミュニケーションをとること」が必要になります。

そして、重度の精神疾患の場合、通常は、これらのことができません。
そのため、働いている場合は、毎朝決まった時刻に職場に行けるし、職場のメンバーともコミュニケーションがとれていると判断されやすく、その結果、症状が重度ではないと判断されて、3級という結論になりやすくなっています。

ただし、この点は、年金事務所が公表している障害年金認定基準に書かれているわけではありません。

 

理由2:「がん」は「軽労働ができないこと」が2級以上の条件になっている。

「がん」については、年金事務所が公表している障害年金認定基準により、「軽労働ができないこと」が2級以上の条件になっています。

そのため、働いていると、軽労働ができていると判断され、3級となりやすいのです。

「がん」のほかに、以下の病気でも、認定基準で「軽労働ができないこと」が2級以上の条件になっていますので、同じことが言えます。

  • 心疾患(CRTやCRT-Dを入れていない場合)
  • 人工透析をしていない腎疾患
  • 肝疾患

そして、3級と判断された場合、初診日(障害年金を請求する病気やけがではじめて通院した日)が厚生年金だった人は3級の障害年金がもらえますが、初診日が国民年金だった人は国民年金の障害年金では3級は支給されないため、障害年金がもらえません。

 

2-2 精神疾患や「がん」などの病気で、働いていても2級とされるケースもある!

このように、精神疾患や「がん」などの病気では、働いていると3級と判断されやすい傾向にはありますが、実際には働いていても2級と判断されているケースも存在します。

精神疾患や「がん」で2級以上の障害年金を受給している人のうち、2割近くがなんらかの仕事をしていることが、冒頭の表でもわかります。

具体的には以下のようなケースでは働いても2級となることがありますので、もし初診日が国民年金でもあきらめずに申請していきましょう。

ケース1:病気により仕事の内容が大幅に制限されているケース
ケース2:職場に配慮してもらってはじめて仕事ができているケース
ケース3:病気のために通常の通勤方法では通勤できないケース
ケース4:実際は仕事はできておらず、休職中であったり、形式的に在職しているにすぎないケース

また、初診日に厚生年金に加入していた方は、3級でも障害年金がもらえますので、働いているかどうかにかかわらず、障害年金を請求することをおすすめします。

 


3 働いている場合の障害年金の申請の5つの注意点

それでは、以下では、特に精神疾患や「がん」などの病気で、仕事をしている場合に障害年金をもらうためのポイントをご説明したいと思います。

3級では初診日に国民年金に加入していた人はもらえませんので、これらの病気がある人が働いていても2級以上に認定してもらうためのポイントをご説明します。

以下の5つの注意点をおさえておきましょう。

 

3-1 注意点1:仕事の内容や時間についての制限を詳細に記載する。

まず、病気のために仕事の内容に制限があるときは、必ずそのことを記載しましょう。

例えば、精神疾患のため、人とのコミュニケーションがとれず、コミュニケーションが必要でない仕事のみを担当している場合はそのことを記載することが必要です。

また、がんの場合、抗がん剤や化学療法の副作用などで休憩について配慮をしてもらっていたり、1日の勤務時間を短くしてもらっている場合は、そのことを記載しましょう。

 

3-2 注意点2:職場でのトラブルがある場合は具体的な内容を記載する。

病気が原因で職場でのトラブルがある場合は、その具体的な内容を記載することが重要です。

例えば、精神疾患の場合は、「職場で何を指示されているのかわからなくなってしまい、パニックになることが多い」などの内容があれば記載しましょう。

 

3-3 注意点3:通勤に援助が必要であればその内容を記載する。

通勤になんらかの援助が必要であれば、その内容を記載しましょう。

例えば、「公共交通機関による通勤が困難なので家族が車で送ってくれている」などの事情があれば記載します。

 

3-4 注意点4:日常生活での支障を詳しく記載する。

仕事以外の日常生活での支障の内容を詳しく記載することも非常に重要です。

例えば、「がん」の障害年金請求であれば、以下のような日常生活での具体的な支障を詳細に記載することが必要です。

「がん」の場合に記載する支障の例

  • 「化学療法の副作用で食欲が低下し、おかゆやうどんなど簡単なものしか食べられない」
  • 「しびれやふらつきがあり、屋内で転倒することがある」

 

3-5 注意点5:書ききれないときは別紙で補充する。

ここまでご説明した点は、基本的には、障害年金申請の際に提出する「病歴・就労状況等申立書」に記載することになります。

「病歴・就労状況等申立書」の裏面には、「職種」「通勤方法」「出勤日数」「仕事中や仕事が終わった後の身体の調子」を記載する欄がありますが、これらの欄だけでは十分な記載ができません。別紙を付けて詳細を補充することが必要です。

さらに、仕事や日常生活の制限内容について、医師に依頼する「診断書」にも記載をしてもらえれば、医師が書いてくれているということで信用性が高まり、ベストです。

精神疾患の場合は、「診断書」に「雇用体系」や「仕事の頻度」「仕事の内容」「仕事場での援助の状況や意思疎通の状況」などを記載する欄がありますので、ここに詳細な記載をしてもらうことをおすすめします。

精神疾患や「がん」で申請をお考えの方は、以下の記事もあわせて参照してください。

よくわかる!統合失調症の障害年金認定基準と受給するためのポイント

がん(悪性新生物)の障害年金認定基準と書類作成の4つのポイント!

 


4 働いている場合の障害年金更新の注意点

最後に、精神疾患や「がん」ですでに障害年金をもらっておられる場合の更新の際の注意点についてもご説明しておきたいと思います。

もし、あなたが更新時に正社員として勤務している場合、通常は、厚生年金保険料を支払っていると思います。

その場合、年金事務所はあなたが会社員として勤務していることを把握していますので、特になんの注意も払わずに更新手続きをすると、障害の程度が軽く見られて年金の支払いが停止される可能性が高いです。

そのため、更新時にあなたが働いている場合は、前述の4つの注意点を診断書に反映する形で医師に診断書を書いてもらって提出することが重要になります。

具体的には医師に以下の点を診断書にも記載するようにお願いすることを忘れないようにしてください。

  • 病気のために仕事の内容に制限がある場合は医師に具体的な内容を伝え、詳細な記載をお願いする。
  • 職場でのトラブルがある場合は医師に具体的な内容を記載をお願いする。
  • 通勤に援助が必要であればその内容の記載を医師にお願いする。
  • 日常生活での支障について医師に詳しく伝え、記載をお願いする。

また、医師に作成してもらった診断書を必ずチェックし、もし足りないことや追記してほしいことがあれば、医師に修正してもらってから年金事務所に提出することが必要です。

 


5 まとめ

今回は、働きながら障害年金を申請する場合の申請の注意点や、働いている場合の障害年金の更新の注意点についてご説明しました。

障害年金の申請や更新は一度、不支給になってしまうと、その結果をくつがえすために、労力や時間がかかってしまいます。

特に、精神疾患や「がん」の障害年金を働いている方が申請するときは、不支給にならないように、「病歴・就労状況等申立書」や「診断書」には万全の注意を払いましょう。

 

患者団体や病院の方へ

患者団体や病院の方から、この記事を利用したいとのお問い合わせをいただくことがあります。
障害年金の制度を患者の方にお伝えいただく目的で使用いただくのであれば、無償で利用していただいて結構です。
お手数ですが、記事のご利用を検討していただく場合は、下記の番号に事前にご一報頂いますようにお願いいたします。

連絡先 06-6539-8587

使用目的などを簡単に確認させていただいた後、原則として無償での使用を許可させていただく方針です。
よろしくお願いいたします。