これなら私もできる!障害年金の申請の7つのステップ

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障害年金の手続きは複雑そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。それでは実際、どのように手続きすればいいのか、どのような書類が必要なのか、今回は障害年金の申請手続きについて徹底解説します!

 

1 障害年金とは

障害年金は病気やケガなどが原因で日常生活や仕事に支障が出ている方を対象に支給される年金です。申請方法をご説明するにあたって、まず、障害年金の制度について簡単にご説明します。

障害年金とは・・・?

原則、病気やケガのために初めて病院を受診した日(初診日といいます)から1年6ヶ月後から受給することができます。

障害年金には初診日に加入していた年金制度に応じて2つの種類があります。

障害基礎年金

<支給対象>

〇病気やケガのために初めて病院を受診した日の加入年金制度が国民年金の方

・自営業、アルバイト、学生等

・厚生年金加入者の配偶者(第3号被保険者)

・20歳より前に初診日があり年金に加入していなかった方(先天性疾患等)

<年金額>

1級 年間97万4125円(月 8万1177円)

2級 年間77万9300円(月6万4941円)

障害厚生年金

<支給対象>

・初診日に厚生年金に加入していた方

※20歳より前に初診日があっても、厚生年金に加入していれば障害厚生年金の対象者です。

<年金額>

1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(年間97万4125円)

2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(年間77万9300円)

3級 報酬比例の年金額(最低保障額 年間58万4500円)

障害基礎年金では日本年金機構の定める障害等級1級又は2級に認定された方に、障害厚生年金では1級から3級に認定された方に障害年金が支給されます。

 

障害年金を受給するためにはおおまかにいうと2つの条件を満たしている必要があります。

(1)初診日の前日時点で、初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。

若しくは、初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと。【保険料の納付要件】

 

(2)障害の程度が日本年金機構の定める基準に該当していること【障害の程度の要件】

 

 

2 障害年金の申請手続き7つのステップ

さて、それではここからは障害年金の申請手続きについてご説明します。障害年金の申請手続きにはおおまかにいうと7つのステップがあります。

障害年金の申請手続き7つのステップ

それぞれの手順について詳しくご説明します。

 

2-1 初診日を調べる

障害年金の申請にあたって重要になるのが初診日です。初診日とは、病気やケガのために初めて医療機関を受診した日のことです。

障害年金では初診日に加入していた年金制度によって受給できる年金が変わります。また、障害年金を受給するためには、初診日までに一定の保険料を納めている必要があります(これを保険料の納付要件といいます)。

加入年金制度や保険料の納付要件を満たしているかを確認するために、まずは初診日を明らかにする必要があるのです。
2-2でご説明する納付要件の確認も初診日が基点になります。まずは自分が病気やけがのために初めて病院を受診したのがいつだったかを確認しましょう。

ただし、障害年金においての初診日は初めて病気やケガについて診断された日とは限らないので注意が必要です。

初診日とは・・・?

障害年金において初診日として扱われる日には以下のようなものがあります。

(1)現在かかっている医師または歯科医師にはじめて診療を受けた場合
→治療行為または療養に関する指示があった日

(2)同一の傷病で転医があった場合
→一番初めに医師または歯科医師の診療を受けた日

(3)過去の傷病が治癒し(社会復帰し、治療の必要のない状態)、同一傷病で再度発症している場合
→再度発症し医師または歯科医師の診療を受けた日

(4)傷病名が特定されておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても同一傷病と判断される場合
(例:不安神経症→うつ病)
→一番初めの傷病名の初診日

(5)じん肺症(じん肺結核を含む)
→じん肺と診断された日

(6)障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病がある場合
(例:糖尿病→糖尿病性腎症、肝炎→肝硬変、ステロイド投薬が必要な傷病→大腿骨頭壊死等)
→最初の傷病の初診日

(7)先天性の知的障害
→出生日

(8)先天性心疾患、発達障害、網膜色素変性症など
→日常生活や労働に支障をきたすような具体的な症状が現れはじめて診療を受けた日

(9)健康診断で異常が発見された場合
→健康診断の結果を受けて初めて医師の診察を受けた日

※ただし、健康診断日を初診日とできる場合があるので注意!

「初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証(受診状況等証明書)が得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申し立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料(人間ドックの結果など)を求めた上で、初診日を認めることができることとする。」(平成27年9月改正)

 

2-2 保険料の納付要件を調べる

障害年金を受給するためにはいくつかの条件があり、そのひとつに保険料の納付要件があります。

保険料の納付要件を満たさない限りは、残念ながらどれだけ障害の程度が重くても障害年金が受給できないのが現状です。
納付要件を満たしているかどうかは、年金事務所で調べてもらうことができます。初診日がわかったら自分が納付要件を満たしているかを確認しましょう。

保険料の納付要件は以下のとおりです。

初診日の前日時点で

①初診日の属する月の前々月迄の過去1年間に年金保険料の未納がないこと

 

②20歳に達した月~初診日の属する月の前々月迄の年金加入期間において、保険料を2/3以上納めていること(学生猶予期間や免除期間は納付と同じ扱いです。20歳前に厚生年金に加入している場合はその期間も含めて計算します。)

 

ただし、一部例外あり

初診日が20歳前にある場合

20歳前障害の場合は年金に加入できないため、納付要件については問われません。(20歳前に厚生年金に加入しており、その期間に初診日がある場合は通常通りです)

 

※免除申請は遡って行うことができます。納付要件は初診日の前日時点の状況で確認されるため、

初診日以降に免除申請をしたものについては納付扱いになりません。

多くの病院で診断書の作成に5000円~1万円の費用がかかります。

もし、診断書を作ってもらった後で受給資格がないことがわかったらせっかく作った診断書が無駄になってしまいます。安い費用ではないので、事前に確認しましょう。

また、申請に必要な書類は年金事務所で配布されています。納付要件を確認したついでに、必要な書類を入手しましょう。

 

2-3 初診日の証明書類を取り付ける

納付要件を満たしていることがわかったら、初診日の証明書類を準備しましょう。

2-1でご説明したとおり、障害年金の申請にあたっては初診日が重要になるため、初診日がいつであるかを証明する書類を提出する必要があります。

代表的なものが「受診状況等証明書」という書類です。これは病気やケガのために初めて受診した病院(初診病院)で書いてもらう書類です。
ただし、初診病院と診断書を書いてもらう病院が同一である場合は初診日の証明は不要です。

初診病院でカルテの廃棄、廃院等の事情で受診状況等証明書の作成ができない場合は、その次に受診した医療機関に受診状況等証明書の作成を依頼します。その病院でも取得できなければ、その次の医療機関・・・という形で記録が残っている中で一番古い病院で作成してもらいます。その際に、前医からの紹介状がある場合は必ず添付してもらいましょう。

その上で、受診状況等証明書が提出できない医療機関については、「受診状況等証明書が添付できない申立書」という書類を作成します。
受診状況等証明書が添付できない申立書には、初診日や通院時期が特定できる資料の添付が必要です。
(下記は資料の一例)

  • PC上に残った来院日の記録、カルテの表紙等(カルテが残っていなくても受診日等の記録を残していることもあるので何らかの記録が残っていないか確認する)、前医からの紹介状
  • レセプト、処方箋、領収書、診察券、お薬手帳、母子手帳等
  • 過去に作成された診断書(保険会社に提出するものや障害者手帳取得の際に作成したもの)
  • 初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明) 等

20歳前障害の場合は、初診病院を特定しなくても初診日が20歳前にあることが証明できればよいので、20歳前に通院していた病院がないか、学校の成績表に症状や通院に関する記載がないか、障害者手帳の取得時期が20歳前にないか等を検討します。

初診日の証明について詳しくはこちら
障害年金の申請に必須!初診日証明の方法と書類の確認ポイントを解説

 

2-4 診断書の作成を依頼する

初診日の証明書類が準備できたら、次は診断書の作成を医師に依頼します。

初診日の証明書類と同時進行で取り付けてもよいのですが、請求方法によっては診断書は障害年金の申請書類を提出する日から3ヶ月以内のものと決まっているため、初診日の証明書類の取り付けに時間がかかってしまった場合、診断書の有効期限が切れてしまうことがあります。

そのため、初診日の証明書類が準備できてから診断書を作成してもらうことをおすすめします。

診断書は障害年金の申請において最も重要であるといっても過言ではない書類です。

障害年金では診断書の記載事項に沿って、どのくらいの障害の程度であれば〇級程度という基準が定められています(これを認定基準といいます)。

障害年金は書類審査であり、審査官と一度も面談することなく提出した書類の内容ですべてが決まってしまいます。どんなに症状が重くても、日常生活に支障が出ていても、提出した書類でそれが伝わらなければ不支給になってしまうこともありえるのです。

だからこそ、診断書にきちんと自分の症状や治療内容等について記載されていることが重要になります。

8種類あり、傷病や症状が出ている部位によってどの診断書を使用するかは異なります。

診断書 主な傷病

精神の障害

うつ病、双極性感情障害、統合失調症知的障害(精神遅滞)、発達障害(広汎性発達障害、ADHD等)、てんかん、高次脳機能障害、認知症等
肢体の障害 肢体麻痺、肢体切断、変形性股関節症(人工関節)、脊柱管狭窄症、糖尿病性壊疽等
腎疾患・肝疾患・糖尿病の障害 慢性腎不全(人工透析)、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、肝硬変、肝がん、糖尿病等
循環器疾患 狭心症、心筋梗塞、弁閉鎖不全症(人工弁)、ペースメーカー・ICD、CRT-D等装着、難治性不整脈等
呼吸器疾患 肺結核、気管支喘息、間質性肺炎、慢性呼吸不全を伴う疾患等
眼の障害 網膜色素変性症、緑内障、網膜剥離、糖尿病性網膜症等
聴覚・鼻腔機能・平衡感覚・そしゃく・嚥下・言語機能の障害 メニエール病、難聴、鼻の欠損、平衡機能障害、歯の欠損・補綴、失語症、喉頭摘出等
血液・造血器・その他の障害 がん、HIV、排泄機能障害(人工肛門、自己導尿)等

あると修正のために書類が返されたり、医療照会がはいって審査が遅れたり、適切な等級に認定されなかったり、不支給になってしまうこともありえます。以下で診断書を受け取ったときにチェックするべき事項を一部例示します。

診断書チェックリスト

□ 診断書の必須項目が空欄になっていませんか

□ 実際の症状よりも軽くかかれていませんか

□ 治療状況や検査結果、症状、日常生活や仕事の状況について具体的に記載されていますか

□ 現症日が指定された日付になっていますか

□ 医療機関名や医師名はきちんと記入されていますか

□ 診断書が2枚に分かれる場合、割り印は捺印されていますか

診断書に不安な要素がある場合は、診断書を作成した医師に相談して、場合によっては追記や修正を依頼しましょう。

 

2-5 病歴・就労状況等申立書を作成する

診断書と並んで重要な書類が病歴・就労状況等申立書です。
病歴・就労状況等申立書とは、発症から現在までの日常生活状況や就労状況を記載するもので、診断書のように医師に書いてもらうものではなく障害年金の請求者が自分で作成するものです。

どう書いていいのかわからない、何を書けばいいのかわからないと簡単に書いてしまう方もいますが、病歴・就労状況等申立書は日常生活にどのような支障がでているか、どんなことに困っているかを自分で伝えることができる唯一の書類です。診断書では伝えきれない日常生活状況を伝えることのできる重要な書類なので、ポイントをおさえてしっかり記載することが重要です。

病歴・就労状況等申立書には発症から現在までの症状や、日常生活、就労状況等を医療機関毎若しくは長期間していない場合は3~5年の期間に分けて記載します。

その時々の症状、日常生活の状況、仕事の状況、通院・治療状況等を具体的に記載しましょう。とは言っても実際にどんなことを書けばいいのかわからない方も多いと思いますので、病歴・就労状況等申立書に記載するべき事項を一部例示します。

  • いつ頃からどのような症状がでていたか。発症のきっかけ
  • どのような症状があったか。日常生活や仕事にどのような支障があったか
  • 障害に関する印象的なエピソードやトラブル
  • 周囲の人からどのような援助を受けていたか
  • 休職や転職等の就労状況の変化、仕事への支障(発病前と比べてできなくなったこと等)
  • 治療内容やお医者様からの指示
  • 転院の理由、通院を中止した理由  等

障害年金の審査においては医師の作成した診断書と請求者の作成する病歴・就労状況等申立書の整合性が重視されます。

例えば、診断書ではできないと書かれているのに、病歴・就労状況申立書ではできると書かれている場合、病歴・就労状況等申立書の内容が足を引っ張って、適切な等級に認定されないこともありえるのです。

病歴・就労状況等申立書が作成できたら、医師の作成した診断書と病歴・就労状況等申立書を見比べて、記載内容や症状の程度に矛盾がないかを確認してください。

 

2-6 その他の必要書類を用意する

次に、申請に必要な書類を集めましょう。主な必要書類は下記の通りです。

 

(1)基本書類

請求者全員が提出する必要のある書類です。

 

年金請求書

基礎年金請求用と厚生年金請求用の2種類があります。初診日時点で加入していた年金制度によってどちらを使用するか異なります。

受診状況等証明書

傷病の為に初めて受診した病院で書いてもらう書類です。病院の廃院やカルテの廃棄等で用意できない場合は、現在取得できる一番古い病院で書いてもらいます。診断書作成医療機関と初診病院が同一である場合は、不要です。

診断書

全部で8種類あります。傷病や症状が出ている部位によってどれを使用するかは異なります。障害認定日請求、事後重症請求は1通、遡及請求の場合は2通必要です。

病歴・就労状況等申立書

初診から現在までの症状の経過や治療状況、日常生活や就労への支障を申し立てる書類です。

年金手帳

基礎年金番号の確認のために提出します。郵送で提出する場合は年金手帳の基礎年金番号が記載されているページのコピーを同封します。

戸籍抄本(住民票でも可)

本人の生年月日、住所の確認のために提出します。
※住民票には提出期限があるので注意が必要です。(障害認定日請求、遡及請求なら障害認定日以降の日付で提出日から6ヶ月以内、事後重症請求は提出日から1ヶ月以内に発行されたもの)
※年金請求書にマイナンバーを記入した場合、省略することが可能です。ただし、別途マイナンバーカードの両面の写し若しくは、マイナンバーが確認できる書類と身分証明書写しの提出が必要になります。

銀行口座の通帳若しくはキャッシュカードの写し

年金の受取先に指定する予定の銀行口座の確認用です。これを提出することで年金請求書の銀行の確認印を省略することができます。銀行名、支店名、口座名義人のフリガナ、口座番号が確認できるページを提出しましょう。

身体障害者手帳・精神保健福祉手帳・療育手帳の写し

障害状態を確認する補足資料として添付します。取得していなければ提出する必要はありません。

 

(2)加給対象者がいる場合に必要な書類

障害年金では請求者に配偶者や子がいる場合に本来支給される障害年金に加えて、加算を受けることができる場合があります。加給対象者は、障害基礎年金の場合は18歳未満の子(若しくは20歳未満の障害のある子)、障害厚生年金の場合は、配偶者と18歳未満の子(または20歳未満の障害のある子)です。加給を受けるためにいくつかの書類を提出する必要があります。
※ただし加給がつくのは2級以上に認定された場合のみです。

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戸籍謄本

加給対象者との続柄及び生年月日を確認するために必要な書類です。

世帯全員の住民票

加給を受けることができるのは同一生計で生活している家族に限られます。生計同一関係の確認のために住民票が必要になります。遡って請求をする場合は、障害認定日時点での生計同一関係が証明できる書類も必要になります((例)住民票の除票等)。諸事情により住民票を分けている、別居しているが経済援助している場合などは、生計同一関係証明のため、別途『生計同一関係に関する申立書』を提出します。

加給対象者の収入が確認できる書類

加給を受けることができるのは、年収が850万円以下の者に限られるため、収入の確認のため提出します。(平成6年11月8日までに受給権が発生した場合は600万円以下)

配偶者(障害厚生年金のみ)→所得証明書、源泉徴収票等
18歳未満の子→義務教育修了前の子は不要。高校生の子は学生証や扶養が確認できる健康保険証の写し等
障害のある20歳未満の子→障害等級1.2級(障害年金基準)に該当する子は20歳まで加算を受けることができます。この場合は、所得証明資料の他、診断書の提出が必要です。

 

(3)遡及請求をする場合

遡及請求をする場合は、以下の書類を提出する必要があります。

障害給付請求事由確認書

遡及請求は障害認定日時点と現在時点の2つの時点での障害の状態を審査されます。そのため、障害認定日時点の症状は不支給、現在は認定されるということがありえます。
この届を出していない場合、障害認定日時点の症状が障害の等級に該当しないと判断された場合は、現在の状態については審査されずに、請求自体が却下されてしまいます。
この届を提出することによって、仮に障害認定日時点の障害状態が不支給と判断された場合であっても、現在時点の症状について審査を行い、現在の障害状態が等級に該当する場合は、事後重症で障害年金の給付を受けることができます。

年金裁定請求の遅延に関する申立書

5年以上前に遡って障害年金を請求する場合に提出します。5年以上前に障害年金の受給権が発生しても5年以上前の年金は残念ながら時効によって支給されません。そのことについて理解しているとの確認書です。

 

(4)20歳前傷病で請求をする場合

20歳より前に初診日のある傷病で障害年金を申請する場合は、以下の書類を提出する必要があります。

所得証明書

通常、障害年金に所得制限はありませんが、20歳前傷病による障害年金にだけは所得による支給制限があります。障害年金の支給を受けるためには一定以上の保険料を納めている必要があるのに対し、20歳前障害の場合は年金に加入できないため保険料を全く納めていなくても受給することができます。その代わりに、受給者本人の所得による制限があるのです。所得額の確認のため、所得証明書を提出する必要があります。
※ただし、20歳前に厚生年金に加入しており、その期間に初診日がある場合は障害厚生年金の請求となり、所得制限はありません。

所得制限について詳しくはこちら
要注意!所得制限がある障害年金2つのケース

個々の状況によってはこの他に書類が必要になることがあるので、一度年金事務所へ確認することをおすすめします。

 

2-7 提出する

書類がそろったらあとは提出するだけですが、提出する際に気をつけていただきたいポイントが2点あります。

 

(1)書類に不備がないかもう一度確認する

提出した書類に不備があった場合、修正のために書類が返されたり、審査が遅れたり、適切な等級に認定されなかったり、不支給になってしまうこともあります。

それぞれの書類の初診日は一致していますか?
書類に空欄や誤記はありませんか?
診断書と病歴・就労状況等申立書の整合性はとれていますか。
必要な書類はすべて揃っていますか?

提出する前に再度、すべての書類を見直してください。

 

(2)書類のコピーをとっておく

障害年金の申請では一度書類を提出してしまうと結果が出ても提出した書類が返ってきません。
提出する前にすべての書類のコピーをとって、自分がどのような書類を提出したか手元に残しておきましょう。
障害年金では、認定された後も数年毎に診断書の提出が必要になる場合がほとんどです。提出した診断書によって等級の見直しが行われ、障害年金の支給が止まってしまったり、等級が下がってしまうこともあります。
更新の際に、自分が障害年金の申請をしたときの診断書が残っていると、更新の診断書と比較して自分が引き続き障害年金を受給することができるか判断するひとつの目安になります。

また、もし申請をして不支給になってしまい弁護士や社労士に手続きを依頼するときも手元に申請書類が残っていれば相談がスムーズに進みます。

不備がないかを確認し、すべての書類のコピーをとったらいよいよ提出です。提出先は以下の通りです。郵送でも提出することができます。

初診日に国民年金に加入していた方
(障害基礎年金の請求)

(1)市町村役場の年金担当窓口
(2)年金事務所

初診日に厚生年金に加入していた方
(障害厚生年金の請求)

(1)年金事務所

初診日に第三号被保険者だった方
(厚生年金加入者の配偶者だった方)

(1)年金事務所

初診日に共済組合に加入していた方
(障害共済年金の請求)

(1)共済組合の年金担当窓口

提出したら、後は結果が出るのを待ちます。審査期間は障害基礎年金の請求であれば申請からおよそ3ヶ月、障害厚生年金の請求であれば申請からおよそ3ヶ月半です。審査の状況によってはこれ以上の時間がかかる場合があります。

 

3 障害年金は自分で申請できる?

障害年金と検索すると多くの社労士事務所のサイトがヒットします。そのため、自分で申請するのが難しいのではないか、自分で申請すると通りにくいのではないか、そう考える方もいらっしゃるのではないかと思います。

これについては正直なところ半々です。
ここまで読んでいただいた方はわかるかと思いますが、障害年金の申請のために複雑なルールがあったり、多くの書類が必要であったりします。そのため、多くの方が申請が難しいと感じるのも事実です。実際、自分で申請をしようとしたが、難しくて断念したという方もいらっしゃいます。

しかし、反対に年金事務所や市役所の年金課の担当者と相談しながら自分で申請をして無事認定されている方も多くいらっしゃいます。弁護士や社労士などの専門家に依頼しようと思うとどうしても費用がかかってしまうので、やはり自分で申請ができるにこしたことはありません。

ご自身で申請する際には、今回記事でご説明した手順やポイントを参考にしていただければ幸いです。
ただし、ご自身ですべての書類を不備のないように準備するのはやはり難しいと思うので、年金事務所の方と相談しながら申請することをおすすめします。

障害年金の代行をしている弁護士や社労士に依頼すれば、費用はかかりますが年金事務所とのやりとりや必要書類の用意などのほとんどを任せることができます。

また、障害年金の専門家であり、申請に関するあらゆるノウハウを持っているので、初診のカルテが残っていなくて初診日の証明ができない、一度自分で申請をして不支給になってしまった・・・そういった方についても、弁護士や社労士に依頼することによって障害年金の受給ができるケースもあります。

手続きのために自分で年金事務所へいくのがつらい、初診日の証明ができない、一度申請して不支給になってしまった等、申請にあたって不安な点がある方は弁護士や社労士に依頼するのもひとつの方法です。

 

4 まとめ

今回は障害年金の申請に関する7つのステップについてご説明しました。
申請の手順として

(1)初診日を調べる
(2)保険料の納付要件を調べる
(3)受診状況等証明書の作成を依頼する
(4)診断書の作成を依頼する
(5)病歴・就労状況等申立書を作成する
(6)その他の必要書類を用意する
(7)提出

をあげ、それぞれの注意点やポイントをご紹介しました。
この記事が少しでも障害年金の申請手続きを行う皆さんのお役に立てば幸いです。

 

患者団体や病院の方へ

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障害年金の制度を患者の方にお伝えいただく目的で使用いただくのであれば、無償で利用していただいて結構です。
ただし、以下のルールを必ず守っていただきますようにお願いいたします。

 

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  • この記事の監修者
  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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