障害年金を再申請する時におさえておきたい重要ポイント

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「障害年金を申請したけれど不支給になってしまった」という方は、症状が悪化したりすると障害年金を再申請することができます。

ただし一度障害年金を申請すると、年金機構にあなたの病歴や症状に関する診断書などの記録が残ってしまい、障害年金を再申請した時に審査に影響し、審査に時間がかかったり、場合によっては再度不支給になってしまうこともあります。

そのようなことを避けるためにも、今回紹介する再申請時に気をつけたいことをご確認ください。

今回の記事では、申請後不支給になってしまった方が、障害年金を再度申請するときのポイントについてご説明します。

 

1 障害年金の再申請はどうやっておこなうの?

障害年金の再申請を行うには、申請書類一式を新しく取り付ける必要があります。初診日の証明書や診断書なども同様です。

 

下記のような場合は、こちらの記事をご参照ください。

【以前に障害年金を受給していたことがあり、現在支給停止になっていて再申請しようとするとき】

(例:うつ病で障害年金を受給していたが症状が改善し支給停止になっていた。社会復帰していたがまた症状が悪化したので障害年金を受給したいとき。)

→「これならできそう!障害年金を支給停止事由消滅届で再開させる方法

 

【すでに受給している障害年金の原因疾患とは別疾患で、障害年金を新たに申請しようとするとき】

(例:うつ病で障害厚生年金3級を受けていた人が、腎不全になり、人工透析治療を受けることになったので障害年金2級を受給できるとき。)

→「これなら私もできるかも!?障害年金の申請手続き7つのステップ

 

2 障害年金を再申請する時に気をつけたいポイント2点

障害年金を再申請するときに気を付けるべきポイントは2つあります。

 

  • 前回申請時に不支給になってしまった理由を確認し、対策する
  • 前回申請時に提出した書類とできるだけ矛盾が無いようにする

 

以下で順番ご説明していきます。

 

2-1 前回申請時に不支給になってしまった理由を確認する

障害年金を受給するためには3つの要件が設けられています。いずれか1つでも満たしていない場合、障害年金は受給できません。

一度申請で提出した書類は年金機構に残ってしまうので、再申請で受給するためには前回不支給になった理由を突き止めて対策しましょう。

障害年金が不支給になる理由は下記の3つです。年金機構から届いた「不支給決定書」に記載があります。

 

  • (1)初診日(初診日のある期間)が特定できないため
  • (2)納付要件を満たしていないため
  • (3)障害の程度が認定基準に該当しないため

 

決定書を無くしてしまった場合は、お近くの年金事務所にお問い合わせください。

それではケースごとの理由に対する対策をご紹介します。

 

(1)初診日が特定できないため

初診病院の受診状況等証明書が提出できず、参考となる資料が提出できなかったり、日付の確定のためには不十分であった場合、このような不支給通知が届きます。

障害年金は初診日に加入していた年金制度(国民年金または厚生年金)から支給されています。

どちらの年金を支給すべきか決定するために、初診日を特定しなければなりません。また、次の項目でご説明する年金の納付状況を確認するためにも、初診日の特定は大変重要です。

再申請時は、初診日のある期間が特定できる資料を探して提出しましょう。
そのような書類が全くない場合は、弁護士や社会保険労務士などの専門家に相談してください。カルテの写しや診療報酬明細書、健康保険の通院履歴の写しなどを取り付けて、初診日を証明できる場合があります。

初診日証明について、詳しくは「障害年金の申請に必須!初診日証明の方法と書類の確認ポイントを解説」の記事をご参照ください。

 

(2)納付要件を満たしていないため

障害年金には年金保険料の納付に関する要件がもうけられています。初診日までに一定の期間保険料を納付または免除していなければ、障害年金は受給できません。

基本的に納付要件については、審査に移る前に申請書類を提出した年金事務所で確認されますが、郵送で提出した方はこのような不支給通知が届くことがあります。

 

【保険料の納付要件】

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること(原則)

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(特例)

 

また、保険料の免除は初診日以前に申請をおこなっていないと「未納」扱いになります。年金も社会保険の一つですので保険料を納めていないと受け取ることはできません。

もしも前回申請した時の初診日よりも前に、病気やケガと因果関係がある症状で病院を受診していた場合は、初診日を前にずらして再申請することができます。

さらに、20歳前に初診日がある場合は保険料の納付要件は審査されないので、因果関係のある症状で20歳前に病院を受診していたことが証明できれば、納付要件をクリアできることがあります。

因果関係のある症状とは、現在の病気の原因になった病気やケガ、または初期症状のことを指します。

例えば、うつ病の初期症状として「動悸、息切れ」、「胃痛、頭痛」、「逆流性胃腸炎」などがみられることがあります。精神疾患の場合は、上記のような症状を因果関係がある初診日として申し立てることができます。

しかしストレスや精神的なものであることを受診状況等証明書などで証明する必要があるので、取り付ける際に必ず医師に相談してください。

 

(3)障害の程度が認定基準に該当しないため

最後に障害年金の認定基準についてご説明します。障害年金は、「病気やケガのために日常生活に支援が必要で、仕事に制限がかかるとき」に受給できる年金です。

しかし、これに該当していても診断書に記載された症状が年金機構の認定基準に該当しなければ、障害年金は受給できません。

障害年金の認定基準はこちらで確認できます。現在の症状で障害年金を受給できるのか確認したい方は、認定基準を持参し、主治医に相談しましょう。

また、診断書は実際の症状よりも軽く書かれていたり、記載漏れがあることが多々あります。

記載が正確でなければ障害年金の基準に照らし合わすことができず、不支給になってしまうこともあります。主治医から診断書を受け取ったら、必ず内容を確認してください。

内容について疑問点があれば必ず主治医に問い合わせて、加筆・修正してもらうようにしましょう。

 

2-2 前回の提出書類とできるだけ矛盾がないようにする

年金事務所の窓口で話した内容や一度提出した書類は年金機構の記録に残されており、申請時に参考資料として扱われているようです。

そのため、記録に残っているものと申請書類の内容が違うと、年金機構から申請書類の差し戻しがあることがあります。

特に病歴・就労状況等申立書の記載には注意しなければなりません。

診断書の内容と、以前提出した時の病歴・就労状況等申立書の内容と照らし合わせて、矛盾が無いように作成しましょう。

ちなみに前回提出した書類の写しは、年金事務所から郵送してもらうことができます。2週間ほど時間がかかる場合があるので、必要なときには早めに年金事務所に申し出ましょう。

 

3 申請を確実に通したい人は弁護士や社労士に相談する

前述の通り1度申請してしまうと年金機構に記録が残るので、2回目以降の申請で認定を受けることが難しくなります。

初診日が特定できていなかったり、今回の申請でも受給できないのでは、と不安な方は、障害年金専門の弁護士や社会保険労務士に相談しましょう。

費用はかかりますが、障害年金の複雑な申請準備を代理でおこなってもらえたり、病院や役所への対応をお願いする事ができます。

詳しくは「障害年金を社労士に相談や依頼をする方法は?わかりやすく解説!」の記事でご説明しておりますので、ご参照ください。

 

4 まとめ

今回の記事では、障害年金の再申請時に気をつけたいポイントを大きく2点ご説明しました。

 

  • 前回申請時に不支給になってしまった理由を確認し、対策する
  • 前回申請時に提出した書類とできるだけ矛盾が無いようにする

 

再申請はご自身でも可能ですが、1度不支給になってしまっている場合は1回目の申請時よりも障害年金を受給するための審査が厳しくなります。

厳しい門を突破するためにも、ぜひ申請前に専門の弁護士や社会保険労務士に相談しましょう。

 

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  • この記事の監修者
  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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