障害年金は専業主婦でももらえる!失敗しないための2つのポイント

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専業主婦の方でも、年金を一定期間納めていたり、症状が基準に該当する障害状態であれば障害年金を受給することができます。

今回の記事では、簡単に障害年金の申請方法をご説明するとともに、専業主婦の方が障害年金を受給する際に注意しておくべきポイントを2つご紹介します。

 

1 専業主婦でも障害年金は受給できる!

専業主婦の方でも、何らかの形で年金保険料を納めたり免除を申請していれば、障害年金を受給できる可能性があります。

障害年金は、「申請する病気やケガのため初めて病院を受診した日(初診日)」以前の年金保険料の納付状態や、初診日の時点で加入していた年金制度によって受給できる金額が異なります。

初診日の時点で厚生年金、または共済年金に加入していた方は、障害厚生年金(共済年金)を、それ以外の方は障害基礎年金を申請することができます。

そのため、初診日の時点で以下のいずれかに該当すれば、障害年金を受給できる可能性があります。

 

  • 配偶者の扶養に入っていて配偶者が年金保険料を払っていた
  • 自身で国民年金に加入して保険料を支払っていた、または国民年金に加入して免除申請をしていた
  • 自身で厚生年金(または共済年金)に加入して保険料を支払っていた

 

今回は上記3つのうち障害基礎年金を申請することができる、「配偶者の扶養に入っていて配偶者が年金保険料を払っていた方」と「自身で国民年金に加入していて保険料を支払っていた、または国民年金に加入して免除申請をしていた方」の請求方法にしぼってご説明していきます。

初診日の時点で厚生年金に加入されていた方は、支給額など、この記事でご説明する内容が多少異なりますので、こちらの記事をご覧ください。

 

 

 

1-1 障害年金の支給額

初診日の時点で国民年金に加入していた方、または配偶者の扶養に入っていた方は、障害基礎年金を申請することができます。

 

 

等 級 支  給  額
1 級 年額 974,125
2 級 年額 779,300

18歳到達年度の末日(331日)を経過していない子
20歳未満で障害年金1級または2級が受給できる程度の障害者と生活しているとき、上記金額に子の加算が追加されます。

 

子の加算

・第1子・第2子 各 年額224,300
・第3子以降 各 年額74,800

 

【例】

障害基礎年金1 障害基礎年金2
18歳未満の子が1人いる 年額 1,198,425 年額 1,003,600
18歳未満の子が2人いる 年額 1,647,025 年額 1,227,900

 

障害基礎年金の支給金額は上記表のとおりです。(平成30年4月時点)

また、表にある通り該当するお子様と生活している時は、子の加算がつきます。

 

2 受給するための2つの条件

つづいて、障害年金を受給するための2つの条件をご説明します。

おおまかにご説明すると、よくある保険と同じく保険料を納めていること、症状の程度が基準に該当することの2つが条件です。

 

2-1 初診日までに一定の年金保険料を納めていること

生命保険や入院保険などと同じく、年金も保険の一つです。

そのため、症状のために初めて病院を受診した日(初診日)までの年金の納付状態が審査されます。(初診日が20歳前の場合は所得額が審査対象になります。

詳しくはこちらの記事もご参考ください。

 

 

 

以下の条件のうち、どちらかに当てはまれば障害年金の支給対象になります。

 

障害年金の支給対象について

初診日の時に、国民年金、厚生年金、共済年金に加入していた方で

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること(原則)

または

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(特例)

 

ご自身が上記の納付要件を満たしているか確認してください。

未納期間や免除期間がある場合は、お近くの年金事務所でご相談いただくと確認することができます。

 

監修者:「西川 暢春」からのワンポイント解説!

関連情報として、障害年金の支給対象についての基礎知識を以下の記事で解説しています。参考にご覧ください。

 

▶参考情報:障害年金の受給資格は満たす?事前の確認が必須です!

 

 

2-2 障害状態が認定基準に該当すること

続いて障害基礎年金の支給基準をご説明します。年金機構には「認定基準」がもうけられており、今回はおおまかな基準をご説明しますが、実際には症状別に基準が細かくもうけられておりますのでこちらは目安としてお考えください。

障害基礎年金を請求する場合、1級か2級の障害状態に該当すれば支給を受けることができます。

 

障害年金の認定基準について

 

詳しい認定基準は各傷病別の記事でご説明しておりますので、ぜひ参考にしてください。

 

監修者:「西川 暢春」からのワンポイント解説!

関連情報として、障害年金の認定基準についての基礎知識を以下の記事で解説しています。参考にご覧ください。

 

▶参考情報:障害年金の認定基準とは?等級ごとにわかりやすく解説【まとめ版】

 

 

3 障害年金を申請するまでの流れ

障害年金は請求書を書くだけで申請できるものではなく、診断書や病歴とお仕事の状況を書いた申立書や、住民票など必要な書類を集めてから初めて申請できるものです。

申請の準備には平均で2カ月程度要します。診断書や住民票などには提出期限がありますので、下記の順番で取得することをおススメします。

 

申請までの流れ

 

申請方法や必要書類については以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

 

4 専業主婦が障害年金を受給する際のポイント

ここからは専業主婦の方が障害年金を受給する際のポイントや、注意事項についてご説明します。

 

4-1 障害年金をあわせて年収180万円を超えると扶養から外れる

配偶者の扶養に入っている方で、障害年金を受けたら扶養から外れてしまうのか?仕事をしたら扶養から外れてしまうのか?とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から申し上げますと、障害年金をあわせた年収が180万円以下であれば、家族の扶養に入ることができます。

障害年金をあわせた年収が180万円以上ある時は、扶養から外れるので、国民健康保険に加入して自身で保険料を納めたり、国民年金を支払う必要があります。

ちなみに障害年金は非課税ですので、所得税などの計算外になります。

もしも障害年金を受け取りながら扶養に入りつつ働くときは、年収が180万円を超えない程度で働く必要があります。

詳しくはこちらの記事もご参考ください。

 

 

 

4-2 配偶者の勤務先に障害年金受給を申告する必要がある

あなたが配偶者の扶養に入っている場合、配偶者は会社から指示があれば勤務している会社に扶養家族の収入に関する申告をする必要があります。

この申告は、税法上・社会保険上の扶養の条件から外れていないか確認するためのもので、配偶者の収入があってもなくても申告しなければなりません。

税法上、障害年金は非課税ですので、もしも障害年金しか収入がない場合、「給与所得者の扶養控除等申告書」には収入を記入する必要はありません。

ただし社会保険上は障害年金も収入として申告する必要がありますので、会社から指示があれば申告し、場合によっては年金証書を収入資料として提出する必要があります。

配偶者のお勤め先が加入している健康保険組合によって対応方法が異なりますので、詳しくはお勤め先の人事課や、加入の健康保険組合にお問い合わせください。

 

5 まとめ

専業主婦の方でも、障害基礎年金を請求することができます。

病気やケガで初めて病院に行った日から1年半経っているときは、なるべく早めに申請するようにしましょう。

 

 

患者団体や病院の方へ

患者団体や病院の方、あるいは報道機関から、この記事を利用したいとのお問い合わせをいただくことがあります。
障害年金の制度を患者の方にお伝えいただく目的で使用いただくのであれば、無償で利用していただいて結構です。
ただし、以下のルールを必ず守っていただきますようにお願いいたします。

 

  • 記事は修正しないでそのまま使用してください。
  • 咲くやこの花法律事務所の記事であることは使用の際に明示をお願いいたします。
  • 紙媒体での使用のみとし、記事をインターネット上にアップロードすることは禁じます。
  • 患者団体または病院関係者、報道機関以外の方の使用は禁じます。

 

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  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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