障害年金の受給資格は満たす?申請に必要な4つの条件を解説!

考える 男性 3人

障害年金のことを知ったが、自分が条件をみたすかわからずに悩んでいませんか?

実は障害年金の受給のための条件は4つの条件があってそれぞれにわけて整理すればスムーズに理解することができます。

まずはこの記事を読んで、自分が条件を満たすか確認してみてください。
自分が対象かどうかについて、不安を打ち消すことで、きっと自信をもって申請に踏み出せるようになるでしょう。

 

1 申請には4つの受給資格を満たすことが必要。

結論からお話しすると、障害年金の受給資格として以下の4つの条件を満たしていることが必要です。

条件1:働けない、または仕事に支障が生じる程度の障害があることが必要
条件2:年齢が20歳から65歳までであることが原則として必要
条件3:初診日の時点の年金納付状況が基準以上であることが原則として必要
条件4:初診日から1年6か月が経過していることが原則として必要

なお、「初診日」とは、障害の原因となる病気やけがで最初に通院した日を言います。

この4つの受給資格を満たしていれば、障害者手帳を取得していることは、障害年金の申請に必要な条件ではありません。また、現在働いていたり、年収が高くても障害年金は原則として受給可能です。

以下であなたが障害年金の申請の条件を満たしているか順番に見ていきましょう。

 

2 受給資格1:働けない、または仕事に支障が生じる程度の障害があること

まず、障害年金の受給資格の1つ目として、働けないか、または仕事に支障がある程度の障害があることが必要です。

障害年金は働きながらでも申請することは可能ですが、仕事に全く支障がない程度の障害では通常、受給ができません。

 

2-1 年金の種類により、申請に必要な障害の程度が異なる。

どの程度の重さの障害であれば障害年金が申請できるかについての基準は、あなたが初診日に国民年金に加入していたか、厚生年金に加入していたかで異なります。
障害年金では、障害を重い方から順に1級、2級、3級と区別しています。

あなたが初診日に国民年金に加入していた場合は2級以上の障害に該当することが障害年金の申請の条件です。また、あなたが初診日の時点で配偶者の扶養に入っていた場合も、あなたは国民年金加入者として扱われ2級以上の障害に該当することが申請の条件になります。3級の障害では申請ができません。

一方、あなたが初診日に厚生年金に加入していた場合は、障害の程度が3級であっても障害年金の申請が可能です。厚生年金加入者は、国民年金加入者よりも多くの年金保険料を納付していたことから、国民年金加入者よりも優遇され、3級であっても申請することができます。

実際にどの程度の障害であれば、何級に該当するかについては、障害の内容ごとに日本年金機構が詳しい障害認定基準を設けています。

障害年金認定基準

障害の内容ごとのおおまかな等級の目安は以下のとおりです。

障害の部位 1級 2級 3級
精神疾患 うつ病、統合失調症などにより、身の回りのこともほとんどできないため、常に介助が必要な状態 うつ病、統合失調症などで1人では十分な食事や適切な入浴ができない状態 単純な日常生活はできるが、食事、入浴、買い物、通院、他人との意思伝達、緊急時の対応、銀行での入出金などの場面において、援助が必要になることがある状態
眼の障害 両眼の矯正視力の和が0.04以下の場合

両眼の矯正視力の和が0.08以下の場合

両眼の視野がそれぞれ5度以内の場合

両眼の視力が両眼とも0.1以下の場合
聴覚の障害 両耳の聴力レベルが100デシベル以上の場合 両耳の聴力レベルが90デシベル以上の場合

両耳の聴力レベルが70デシベル以上の場合

両耳の聴力レベルが50デシベル以上でかつ、最良語音明瞭度が50パーセント以下の場合

上肢の障害

両腕が全く使えない状態の場合

両手の指がすべてない場合

片腕が全く使えない状態の場合

片手の指がすべてない場合

片腕の3大関節(肩、肘、手首)のうち2つ以上の関節について動く範囲(可動域)が2分の1以下に制限されている場合
下肢の障害

両脚が全く使えない状態の場合

両脚の足首より下がない場合

片脚が全く使えない状態の場合

片脚の足首より下がない場合

片脚の3大関節(股関節、膝、足首)のうち2つ以上の

関節について動く範囲(可動域)が2分の1以下に制限されている場合

心臓疾患 心臓疾患により身の回りのこともできず常に介助が必要で、ベッドの周りで過ごしている場合

CRT、CRT-Dを装着している場合

心臓疾患により軽労働もできない状態の場合

心臓ペースメーカー、ICD、人工弁を装着している場合

心臓疾患により軽い家事や事務などはできるが肉体労働が制限される場合

腎疾患 腎疾患により身の回りのこともできず常に介助が必要で、ベッドの周りで過ごしている場合

人工透析を施行している場合

腎臓疾患により軽労働もできない状態の場合

腎疾患により軽い家事や事務などはできるが肉体労働が制限される場合

なお、障害年金の等級は、障害者手帳の等級とは全く制度が異なりますので注意してください。障害年金の等級は障害者手帳の等級とは全く関係なく、別に決定されます。

障害の種類 病気や怪我の内容
精神の障害 うつ病、統合失調症、発達障害、高次脳機能障害など
知的障害 知的障害で仕事に著しい障害があるか働けない場合
てんかん 治療をしてもてんかん発作があり、仕事に制限がある場合
目の障害 視力障害、視野障害、網膜色素変性症、緑内障など
聴覚の障害 聴力障害
言語機能の障害 構音障害、失語症
手足の障害 腕や脚あるいは手足、指の欠損、関節の障害、偽関節、ジストニア

体幹、脊柱、肢体の
機能の障害

脳血管障害、脊髄損傷、進行性筋ジストロフィー

呼吸器疾患による
障害

肺結核、じん肺、呼吸不全、喘息
心疾患による障害 慢性心不全、弁疾患、心筋症、心筋梗塞、狭心症、難治性不整脈、心房細動、大動脈解離、先天性心疾患、CRTCRT-D、ペースメーカー、ICD装着
腎疾患による障害 慢性腎不全、ネフローゼ症候群、人工透析施行
肝臓疾患による障害 肝硬変、慢性肝炎、肝がん、肝臓移植

血液、造血器疾患
による障害

難治性貧血、血小板減少性紫班病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、HIV
糖尿病 糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性壊疽
がん がんそのものによる障害、がんによる全身の衰弱、がん治療により起こる全身衰弱
高血圧 降圧剤非服用下で最大血圧140mmHg以上最小血圧90mmHg以上の高血圧
その他 人工肛門・新膀胱造設、遷延性意識障害、その他の難病

2-2 実際にどのような病気や怪我で申請ができるのか。

障害年金は前述の障害年金認定基準に該当すれば病名を問わず申請することが可能です。実際に申請が多い病名をあげると以下の通りです。

障害の部位 障害の内容 障害年金の申請ができる日
上肢、下肢 人工骨頭又は人工関節を入れた場合 手術の日
手足を切断又は離断した場合 切断又は離断の日
呼吸器 喉頭全摘出の場合 全摘出した日
在宅酸素療法を行っている場合 在宅酸素療法を開始した日
心臓 心臓ペースメーカーやICDあるいは人工弁を装着したとき 装着の日
腎臓 人工透析をしている場合 透析開始後3か月を経過した日
膀胱 新膀胱を造設した場合 造設の日
肛門 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合 手術後6か月を経過した日

病気ごとの認定基準については、以下の記事で解説していますので、あわせてご参照ください。

統合失調症の障害年金認定基準と申請のポイント
よくわかる!統合失調症の障害年金認定基準と受給するためのポイント

知的障害の障害年金認定基準と申請のポイント
知的障害で障害年金を受給するための5つのポイント

脳梗塞の障害年金認定基準と申請のポイント
脳梗塞で障害年金を受給できる基準と書類作成の3つの要点

人工関節・人工骨頭の障害年金認定基準と申請のポイント
人工関節・人工骨頭で障害年金を申請できるかが10分でわかる!

人工透析の場合の障害年金認定基準と申請のポイント
人工透析で障害年金を申請する前に確認すべき書類準備の手順

がんの認定基準と申請のポイント
がん(悪性新生物)の障害年金認定基準と書類作成の4つのポイント!

 

3 受給資格2:20歳から64歳までであること

次に、障害年金の受給資格の2つ目として、障害年金の申請時に年齢が20歳から64歳までであることが原則として必要です。

19歳以前については特別児童扶養手当などが支給され、また65歳以上は基本的には老齢年金の対象となることから、いずれも障害年金の対象外とされています。

ただし、あなたが以下のいずれかにあたる場合は、65歳以上であっても、例外的に障害年金を受給することができます。

ケース1:初診日が65歳未満で、初診日から1年半以内に障害認定基準に該当する障害の状態になった場合
ケース2:初診日が65歳以上でも、その初診日のときに厚生年金に加入していた場合
ケース3:初診日が65歳以上でも、その初診日のときに国民年金の任意加入者だった場合

 

4 受給資格3:年金の納付状況に問題がないこと

次に、障害年金の受給資格の3つ目として、初診日の時点の年金納付状況が基準以上であることが原則として必要です。

このように年金の納付状況が問題とされるのは、年金を誠実に納付してきた人にだけ障害年金を認めるという考え方に基づくものであり、「納付要件」と呼ばれます。

 

4-1 納付要件の原則的な判断基準

納付要件の原則的な判断基準は以下の通りです。
下記の2つのどちらかにあたれば、「納付要件」を満たします。

(1)初診日において65歳未満で、かつ初診日のある月の前々月からさかのぼって1年間の間に年金の未納がない場合
(2)20歳から初診日のある前々月までの期間のうち、年金の未納期間が3分の1未満の場合

もし、あなたが初診日の時点で配偶者の扶養に入っていた場合は、あなたの配偶者が上記の2つのどちらかを満たせば問題ありません。

この納付要件は初診日の前日の時点で満たしている必要があり、初診日の後に初診日以前に納めるべきだった年金を納付しても、それによって納付要件を満たすことはできません。

一方で、初診日より前に年金の納付について免除手続きを行っていた場合は、納付要件の判断において「年金の未納」とは扱われず、年金を納付していたのと同じ扱いを受けることができます。

あなたの年金の納付状況がわからない場合は年金事務所への相談や弁護士・社労士への相談で調べてもらうことが可能です。

 

4-2 初診日が未成年のときは納付要件は不問

初診日に未成年だった場合、例外として、年金の納付要件は問われないというルールがあります。

国民年金の加入は20歳以上からなので、初診日が20歳未満の場合は、初診日までに国民年金を納付することがそもそも想定できないため、年金の納付要件は不問とされています。

このルールにより、先天性の障害や知的障害、幼少期からの障害、20歳までの病気や怪我による障害の場合は、年金の納付要件を考える必要がありません。

 

5 受給資格4:最初の通院日から1年6か月が経過していること

最後に、障害年金の受給資格として、初診日から1年6か月が経過していることが原則として必要です。

障害年金では、病気や怪我があればすぐに申請できるわけではなく、1年6か月経過してから申請できるというルールになっています。これは、ある程度の期間治療しても治らないような障害のみを障害年金の対象とするという考え方によるものです。

 

5-1 1年6か月が経過しなくても申請できる例外的なケース

例外的に以下の病気や怪我については、初診日から1年6か月が経過しなくても申請が可能です。

障害の部位 障害の内容 障害年金の申請ができる日
上肢、下肢 人工骨頭又は人工関節を入れた場合 手術の日
手足を切断又は離断した場合 切断又は離断の日
呼吸器 喉頭全摘出の場合 全摘出した日
在宅酸素療法を行っている場合 在宅酸素療法を開始した日
心臓 心臓ペースメーカーやICDあるいは人工弁を装着したとき 装着の日
腎臓 人工透析をしている場合 透析開始後3か月を経過した日
膀胱 新膀胱を造設した場合 造設の日
肛門 人工肛門の造設、尿路変更術を施術した場合 手術後6か月を経過した日

これらの病気や怪我については、初診日から1年6か月を待たなくても「一定期間継続する障害である」と判断することができるため、1年6か月待たなくても申請が可能とされています。

 

6 受給資格を満たさないときは「社会的治癒」を検討する。

では、障害年金の受給資格を満たさない場合はどうすればよいのでしょうか?

障害年金の受給資格で一番問題になるのが、2つ目の受給資格としてご紹介した「納付要件」です。

たまたま年金を納めていない時期に初診日があるという場合には、「社会的治癒」という考え方を利用して、受給資格を満たすことができないか検討してみましょう。

「社会的治癒」というのは、病気や怪我で病院を受診したがその後5年以上治療を中断し、通常の社会生活をしていた場合に、治療再開後の日を初診日として扱うことができるというルールです。

社会的治癒に該当する場合、治療再開の日を初診日として、年金の納付要件をクリアできれば、障害年金の受給資格を満たすことができます。

例えば、一度病気になり通院した時点では年金の未納が多かったというケースでも、その後治療を中断して5年以上経ってから再度治療を再開した場合、治療再開の日の時点でさかのぼって1年間で年金の未納がなければ、納付要件を満たすことができます。

 

7 まとめ

今回の記事では障害年金の申請に必要な4つの条件についてご説明しました。

あなたが障害年金の申請の条件を満たすかについてのさらに詳しい判断は、最寄りの年金事務所または、障害年金を取り扱っている弁護士または社労士に相談してみましょう。

受給資格を満たす場合は、ぜひ障害年金を申請してください。
障害年金の受給は、きっとあなたの生活の支えになります。