悪性リンパ腫の障害年金認定基準と認知を受けるためのポイント

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悪性リンパ腫は進行も早く、全身の倦怠感や発熱の症状がでる他、治療の副作用も強いことが多く、病気をきっかけにこれまで通りに日常生活を送ることが難しくなってしまった方も多いのではないでしょうか。

そんな悪性リンパ腫患者の生活を支えてくれる制度のひとつに障害年金があります。障害年金が受給できた場合、最低でも年間58万4500円が支給されます。障害年金があるかないかで生活は大違いです。

今回は悪性リンパ腫の障害年金の認定基準や申請する際のポイントをご説明します。

この記事を読めば、ご自身が障害年金を受給できるかどうかおおよその目安がわかるはずです。

 

監修者:「西川 暢春」からのワンポイント解説!

関連情報として、障害年金の認定基準についての基礎知識を以下の記事で解説しています。参考にご覧ください。

 

▶参考情報:障害年金の認定基準とは?等級ごとにわかりやすく解説【まとめ版】

 

1 悪性リンパ腫は障害年金の対象疾患!

悪性リンパ腫は障害年金の対象疾患です。

しかし、障害年金は申請すればすべての方に支給されるものではありません。

障害年金を受給するためには、日本年金機構の定める一定の条件を満たしている必要があります。

詳しい基準をご説明する前に、まず、障害年金の制度について簡単にご説明します。

障害年金とは・・・?

病気やケガなどが原因で日常生活や仕事に支障が出ている方を対象に支給される年金です。

 

原則、病気やケガのために初めて病院を受診した日(初診日といいます)から1年6ヶ月後から受給することができます。

 

また、障害年金は原則として20歳から64歳までの方が請求することができます。

 

障害年金には初診日に加入していた年金制度に応じて2つの種類があります。

 

障害基礎年金

<対象>

〇病気やケガのために初めて病院を受診した日の加入年金制度が国民年金の方

・自営業、アルバイト、学生、第3号被保険者等

・20歳より前に初診日があり年金に加入していなかった方(先天性疾患等)

 

障害厚生年金

<対象>

・初診日に厚生年金に加入していた方

※20歳より前に初診日があっても、厚生年金に加入していれば障害厚生年金の対象者です。

 

障害基礎年金では日本年金機構の定める障害等級1級又は2級に認定された方に、障害厚生年金では1級から3級に認定された方に障害年金が支給されます。

 

障害年金を受給するためにはおおまかにいうと2つの条件を満たしている必要があります。

 

(1)保険料の納付要件

初診日の前日時点で下記のいずれかを満たしていること。

①初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること。

②初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険 料の未納がないこと。

(2)障害の程度の要件

障害の程度が日本年金機構の定める基準に該当していること。

(1)の保険料の納付要件を満たしていなければ、どんなに症状が重くても障害年金を受給することはできません。

自分が納付要件を満たしているかは、年金事務所で確認することができます。

直接年金事務所へ行って確認することが難しい方は、ご家族等が代わりに確認することや、FAXや文書で問い合わせることもできます。

納付要件を満たしていることがわかれば、次に重要なのは(2)の障害の程度の要件です。

初診日に国民年金に加入していた方は1級又は2級、厚生年金に加入していた方は1~3級のいずれかに認定される必要があります。

ここからは悪性リンパ腫でそれぞれの等級に該当する症状の程度についてご説明します。

 

2 悪性リンパ腫の認定基準

障害年金では、それぞれの傷病について「このくらいの障害の程度であれば〇級相当」と基準が設けられています。これを障害年金の認定基準と言います。

認定基準では、診断書の記載事項である「臨床所見」と「検査所見」、「日常生活状況」をもとに、悪性リンパ腫で1級から3級のそれぞれの等級に該当する症状の程度を次のように定めています。

 

ご自身の血液検査の結果や日常生活の状況から、自分がどの等級に該当しそうかおおよその見込みがわかるのではないでしょうか。

さて、ここまで悪性リンパ腫の認定基準についてご紹介してきました。

ここからは実際に障害年金を申請する際のポイントをご紹介します。

 

3 診断書を依頼する際の注意点

障害年金を申請するためには医師の作成した診断書を提出する必要があります。診断書は障害年金の申請にあたって一番重要な書類です。

障害年金は書類審査であり、審査官と一度も面談することなく提出した書類の内容ですべてが決まってしまいます。

どんなに症状が重くても、日常生活に支障が出ていても、提出した書類でそれが伝わらなければ不支給になってしまうこともありえるのです。

診断書には自分の状況や症状について余すことなく書いてもらいましょう。

診断書を記入してもらうときの注意点がいくつかあります。

以下の診断書の記入例を見て、診断書を作成してもらったら記入漏れがないかしっかり確認してください。

 

診断書の記入例1

 

診断書の記入例2

 

障害年金に必要な診断書については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にご覧ください。

 

 

 

4 まとめ

今回は、障害年金における悪性リンパ腫の認定基準と診断書を依頼する際の注意点についてご説明しました。

この記事を読んで、ご自身が障害年金を受給できるかもと思った方は、すぐにでも申請手続きを行うことをおすすめします。

申請にあたっては、以下の記事も参考にしてみてください。

 

 

自分で申請できるか不安な方や、体調が優れないので自分で何度も年金事務所へ行くのは辛い、という方は、障害年金の申請を専門とする弁護士や社労士に相談するのもひとつの方法です。

障害年金は1級に認定されれば、少なくとも年間97万4125円、2級に認定されれば少なくとも年間77万9300円、3級に認定されれば少なくとも年間58万4500円が支給されます。

悪性リンパ腫は、治療費の負担も大きく、日常生活にも大きな支障が生じる障害です。障害年金は悪性リンパ腫患者の生活の大きな支えになるはずです。

この記事が皆さんの障害年金申請のお役に立てば幸いです。

 

 

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  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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