糖尿病性腎症(人工透析)で2級に認定され、年間約78万円の受給に成功したケース

糖尿病 事例
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1 結果

【請求者】
50代男性

【傷病名】
糖尿病性腎症(人工透析)

【認定結果】
障害基礎年金2級

【年金額】
約78万円(年間)

 

2 ご相談の経緯・概要

20年ほど前に会社の健康診断で要検査となり、その後受診した病院で糖尿病と診断されたそうです。

運動療法や食事療法、インスリン治療等を受けていましたが、数年前に腎機能の低下を指摘され、医師から人工透析の導入を勧められました。

透析を導入した後、同じ病院に通っている透析患者の方から障害年金という制度があると教えてもらい、ご自身で年金事務所へ問い合わせをされたそうです。

しかし、そこで障害年金の申請のために、初診日(病気のために初めて病院を受診した日)の証明が必要となることを知り、初診日が20年ほど前になるのでご自身で初診日を証明する書類を準備することが難しいと考え、当事務所にお越しいただき、ご相談いただきました。

 

3 工夫した点・苦労した点

糖尿病性腎症で障害年金を申請する場合、障害年金上の初診日は、「糖尿病で初めて病院を受診した日
になります。しかし、糖尿病性腎症では、糖尿病と診断されてから腎不全にいたるまで数十年経過していることも少なくありません。

医療機関のカルテの保管期間は原則5年のため、糖尿病性腎症で人工透析等になり、いざ障害年金を申請しようとした時、初診日の証明(受診状況等証明書)が取れないことが頻繁にあります。

障害年金の申請にあたっては、病気のために初めて病院を受診した日(初診日)を証明することが重要になります。どんなに症状が重くても、初診日を証明できない限りは残念ながら障害年金を受給することができないのが現状です。

今回のケースでも、糖尿病で初めて受診した日は20年以上前で、初診の病院にはカルテが残っていなかったため、どうやって初診日を証明するかが申請の大きなポイントになりました。

初診病院で初診日の証明が取れない場合、代わりになる初診日や通院時期が特定できる資料を提出して、初診日を立証することが重要になります。

下記は、初診日を立証する資料の一例です。

・PC上に残った来院日の記録、カルテの表紙等(カルテが残っていなくても受診日等の記録を残していることもあるので何らかの記録が残っていないか確認する)、前医からの紹介状

・レセプト、処方箋、領収書、診察券、お薬手帳、母子手帳等

・過去に作成された診断書(保険会社に提出するものや障害者手帳取得の際に作成したもの)

・5年以上前に医療機関で作成されたカルテ等の記載

・初診日に関する第三者からの申立書(第三者証明) 等

 

今回のケースでは、まずは、当事務所より依頼者がこれまでに通院した病院に、カルテが残っていないか問い合わせをしました。

やはり20年以上経ってしまっているため、1番目と2番目、3番目に通院していた病院にはカルテが残っていませんでしたが、幸運にも依頼者が4番目に通院していた病院にカルテが残っていました。

そこで、カルテが残っていた4番目の病院で、カルテの開示請求を行い、カルテの中に「いつ頃発症した」「いつ頃から通院していた」「どこの病院に通っていた」等、初診日が特定できるような情報がないかを探しました。

また、初診日や通院時期が特定できる資料は多ければ多いほうがいいので、依頼者にも、当時の診察券が残っていないか、病院の領収書や処方箋、保険会社へ提出した診断書のコピー等、何か手元に残っているものがないか探していただきました。

その結果、4番目に通院していた病院のカルテから初診時期や初診病院についての記載(平成〇年〇月頃から〇〇病院に通院)と、依頼者のご自宅からご自身が加入している保険会社へ提出した診断書のコピーが見つかり、この2つを初診日の証明資料として提出した結果、無事に認定され、障害年金の受給が決定しました。

 

4 まとめ

今回は、糖尿病性腎症(人工透析)で当事務所にご依頼いただき、2級の認定を受けることができたケースをご紹介しました。

腎不全の障害年金の申請については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらの記事もご参照ください。

腎不全で障害年金がもらえる基準と重要なポイント

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  • この記事の監修者
  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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