障害年金の審査請求、不服申し立て!弁護士が教える4つのポイント!

審査請求 悩む女性

障害年金の審査請求について、「なかなか難しい」というような話を聴いて迷っていませんか?

実は、審査請求とその後の再審査請求で、裁定請求の判断が変更される確率は平均で24%です。
そして、要点をおさえて審査請求を行うことでこの成功確率は大幅に増やすことができます。

この記事では、審査請求の手続きの流れや審査期間についてご説明したうえで、審査請求を成功させるために特に重要になる審査請求の理由の書き方のポイントをわかりやすく解説します。

正しい審査請求の方法を理解することで、審査請求を成功させましょう。
それでは順を追って説明していきたいと思います。

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1 不服申し立てにより判断が変わる確率は平均24パーセント

障害年金の審査請求は、障害年金の請求の結果、不支給とされたり、自分が思っていたよりも軽い等級と判断された場合の不服申し立て手続きです。
審査請求により、年金事務所の判断に対して、不服を申し立てて、判断の変更を求めることができます。
審査請求の結果にも不服があれば、さらに「再審査請求」という手続きも可能です。
審査請求と再審査請求をあわせて、「不服申し立て」と呼ばれます。

 

1-1 不服申し立ての結果、275件で判断が変更された

厚生労働省の統計によると、平成27年に結果が出た障害年金の不服申し立て1154件のうち275件で判断が変更されています。
この統計から、冒頭でもご紹介したように、障害年金の不服申し立てにより判断が変更される可能性は約24パーセントであることがわかります。
統計の詳しい内容はこちらをご参照ください。

▷障害年金の不服申し立て(審査請求・再審査請求)に関する統計

 

1-2 審査請求で判断が変更されているケースの例

審査請求で判断が変更されているケースは、例えば以下のようなものがあります。

ケース1:最初の請求では初診日が特定できていないことを理由に不支給とされたが、審査請求で支給が決定するケース

ケース2:最初の請求で障害の程度が軽く判断されていたが、障害の程度が重いことを主張した結果、審査請求で上位等級が認定されるケース

ケース3:最初の請求では障害認定日の症状の程度が不明として遡及請求が認められていなかったが、審査請求で遡及請求が認められるケース

平均24パーセントというのは決して高い確率ではありませんが、この記事でご説明するポイントを踏まえて審査請求を行うことで、成功する確率を格段に上げることが可能です。

 


2 審査請求の手続きの流れについて

次に、審査請求を成功させるためのポイントのご説明の前提として、審査請求の流れを確認しておきましょう。
審査請求の手続きの流れは以下の通りです。

Step1:審査請求書の提出

まず、審査請求書を年金事務所に提出します。審査請求書に添付する資料があれば一緒に提出します。

Step2:審査

審査請求は地方厚生局の社会保険審査官という役職の人が審査します。年金事務所で審査されるわけではありません。審査期間は6か月くらいかかることが多いです。

Step3:審査結果の通知

審査の結果が出たら、決定書が請求者に郵送されてきます。

Step4:年金の支給

最初の請求で年金が不支給とされたケースで、審査請求で年金の支給が決まったときは、最初の請求の翌月以降の年金がまとめて支給されます。

一方、最初の請求で下位等級が認定されていたケースで、上位等級に該当することを主張して審査請求をした場合は、審査期間中は下位等級の年金が支給されます。例えば、最初の請求で3級と認定されていたケースで2級に該当することを主張して審査請求をした場合は、審査期間中に支給されるのは3級の年金です。審査の結果、2級に該当すると認められたときは、最初の請求の翌月以降の分について、2級と3級の差額の年金がまとめて支給されます。

 

2-1 年金事務所が自主的に判断を変更することもある。

以上ご説明した通り、基本的には、審査請求書や資料を出した後は、審査結果の通知を待つだけで、審査中に審査機関から連絡があることはありません。

ただし、審査請求書の内容を見て、審査結果が出る前に年金事務所が自主的に最初の判断を変更することがあります。年金事務所が審査請求書やそれに添付されている資料を見て、再度検討し直し、最初の判断を変更すべきと判断したケースです。その場合は、年金事務所から請求者に対して、判断を自主的に変更することが連絡されます。

 


3 弁護士が教える審査請求書の理由の書き方の4つのポイント

それでは、審査請求を成功させるために重要となる審査請求書の理由の書き方のポイントを見ていきましょう。

 

3-1 審査請求では審査請求書の理由の書き方が重要。

年金事務所に提出する審査請求書の用紙には、「審査請求の趣旨及び理由」の記載欄があります。
この欄の書き方について年金事務所に聴くと、「言いたいことを箇条書きでいいので書いてください」などと簡単な案内をされることが多いです。
しかし、実際には、審査請求を成功させるためには、この欄に「審査請求の理由」についてポイントを踏まえた記載をすることが一番、重要です。
以下では、審査請求書に記載する「審査請求の理由」の書き方についての4つのポイントを見ていきたいと思います。

 

3-2 ポイント1:最初の請求が満足いく結果にならなかった原因を把握する。

まず、審査請求書の理由の書き方のポイントの1つ目は、「最初の請求が満足いく結果にならなかった原因を正しく把握してから、記載を始める」という点です。
審査請求の理由として、あなたが言いたいことをやみくもに書いても、審査請求を通すことはできません。
審査請求に成功するためには、まず、最初の請求が満足いく結果にならなかった原因を正確に把握して、その原因に対して主張できる内容を審査請求の理由として記載することが重要です。

最初の請求が満足いく結果にならない理由としては、主に以下の3つのケースがあります。

 

ケース1:初診日が特定できていないことを理由に不支給とされるケース(初診日不特定)

初診の病院に受信状況等証明書を書いてもらえなかった結果、初診日が特定できていないとして、年金不支給とされるケースです。

 

ケース2:障害の程度が軽く判断された結果、不支給あるいは下の等級が認定されるケース

障害の程度が自分が思っていたよりも軽く判断された結果、不支給となったり、思っていたよりも下の等級が認定されるケースです。
この中には、事後重傷請求と遡及請求(さかのぼり請求)の両方を行った場合に、事後重傷請求は希望通り認められたが、遡及請求について不支給とされたり下の等級が認定されたケースも含みます。

 

ケース3:障害認定日の症状の程度が不明とされ、遡及請求が認められないケース

障害認定日(初診日から1年6か月後の日)の症状の程度が不明とされて遡及請求が認められないケースです。具体的には以下のようなケースがあります。

  • 障害認定日に通院していなかった結果、障害認定日の症状の程度が不明とされるケース
  • 障害認定日に通院していた病院が廃院していた結果、障害認定日の症状の程度が不明とされるケース
  • 障害認定日のカルテが残っていなかった結果、障害認定日の症状の程度が不明とされるケース

審査請求に成功するためには、まず、最初の請求が満足いく結果にならなかった原因を正確に把握して、それに対応する主張を「審査請求の理由」として記載することが重要です。

 

3-3 ポイント2:初診日不特定による不支給の場合は初診日の特定がポイント

審査請求書の理由の書き方のポイントの2つ目として、最初の請求が満足いく結果にならなかった原因が、初診日不特定による不支給である場合は、初診日を資料により特定できることを審査請求の理由として記載することが基本です。
例えば、2院目以降のカルテに初診の時期の記載があった例で、審査請求において2院目以降のカルテを提出することで初診日を特定して、審査請求書の理由に記載し、審査請求に成功したケースがあります。

 

初診日について追加資料を提出できない場合のポイント

では、初診日にについて追加で提出できる資料がない場合はどうすればよいのでしょうか?
実は、初診日について追加で提出できる資料がない場合でも、審査請求書の理由欄で、「初診日を特定する必要がない」と主張することにより審査請求が認められるケースがあります。

障害年金の請求において、初診日の特定が必要とされるのは、初診日における年金の納付状況を審査するためです。
そのため、初診日がいつであっても、年金の納付状況に問題がない場合は、「初診日を特定する必要がない」と主張することができます。例えば、20歳以降、年金の未納が一切ない場合、いつが初診日であっても年金の納付に問題はありません。
この場合、初診日が特定できなくても障害年金の支給が認められるべきであることを審査請求書の理由として記載しましょう。

 

3-4 ポイント3:障害の程度の判断に不服の場合は診断書を修正するかどうかが重要なポイント

審査請求書の理由の書き方のポイントの3つ目として、最初の請求での障害の程度の判断に不服がある場合は、障害が重いことを審査請求の理由として記載して判断の変更を求めることが必要です。
そして、障害が重いことを主張するにあたっては、診断書を修正して再提出するべき場合とそうでない場合があります。

最初の請求の時の診断書が実際の症状よりも軽く書かれていたり、記載漏れがある場合は、診断書を修正して再提出することが必要です。
一方、最初の請求の時の診断書にあなたの症状が正確に書かれている場合は、最初の請求の時の診断書をもとに障害が重いことを主張して、障害の程度についての判断の変更を求めていくことになります。

 

診断書を修正する場合の2つの注意点

診断書を修正する場合、以下の2つの点に注意する必要があります。

 

注意点1:審査請求で診断書の現症日を変更することはできない

障害年金の診断書には必ず「現症日」が記載されています。
「現症日」は、その診断書がいつの症状について記載したものかを示す記載事項です。
例えば、下の画像は精神疾患の障害年金用診断書ですが、表面に「現症日」の記載欄があります。

診断書 現症日

この「現症日」の記載欄に、「平成29年7月30日」とあれば、その診断書は、平成29年7月30日のあなたの症状について記載した診断書です。
そして、審査請求で診断書を修正する場合でも、最初の請求の時の診断書にある「現症日」を変更することはできません。
審査請求はあくまで最初の請求の時の診断書にある「現症日」の症状に対する判断の変更を求める手続きであり、審査請求で「現症日」を変更して別の日の症状についての判断を求めることはできないのです。

例えば、最初の請求の時より現在の病状が重くなっているからといって、「現症日」を変更して診断書に現在の病状を記載してもらい、審査請求で提出することはできません。
どうしても「現症日」を変更する場合は、審査請求を進めるのではなく、新しい診断書で最初から請求をやりなおす必要があります。

 

注意点2:診断書の修正について理由の説明が必要

次に診断書の修正については、「なぜ、最初の請求の時に出した診断書を修正したのか」という理由についての説明が必要です。

例えば、精神疾患の障害年金の申請では、診断書右側に「日常生活能力の程度」という記載項目があります。
この「日常生活能力の程度」の欄は、軽い順から(1)→(2)→(3)→(4)→(5)となっており、該当のものに〇を付ける形式です。

ここで、最初の請求の時の診断書から判断を変更して重いほうに〇を付ける場合は、なぜ最初の請求の時の診断書での判断を変更したのかということについて説明が必要です。
例えば、「日常生活能力の程度」を(3)の「時に応じて援助が必要」から(4)の「身のまわりのことも多くの援助が必要」に変更する場合、なぜ、最初に(3)とした判断を変更したのかについて理由の説明が必要です。

「最初の請求の時の診断書を作成した時点では本人からの事情聴取のみで判断していたが、あらためて家族からも事情聴取すると本人からの申告以上に日常生活に支障があることが判明した」などといった診断書を修正した理由を医師に詳しく記載してもらうことが重要です。

 

診断書を修正しない場合は日常生活や仕事への支障を詳細に主張する

ここまで、診断書を修正して再提出し、障害の判断の変更を求める場合についてご説明してきました。
一方、最初の請求時の診断書に問題がなく、診断書を修正しない場合は、審査請求書の理由として、日常生活や仕事への支障を詳細に記載することがポイントとなります。

例えば、うつ病などの精神疾患では1人暮らしができていることを理由に、障害の程度を軽く見られ、低い等級と判断されたり、不支給とされることがあります。このようなケースでは、1人暮らしをしているが家族や友人の援助が欠かせないことを具体的に審査請求書の理由の中で記載することにより、請求が認められた例があります。

 

3-5 ポイント4:障害認定日の症状の程度が不明とされた場合は、症状についての主張がポイント

次に、審査請求書の理由の書き方のポイントの4つ目として、障害認定日の症状の程度が不明とされて遡及請求が認められなかった場合は、審査請求書の理由欄に、障害認定日の症状について詳しく記載することが重要なポイントです。

例えば、血友病について、障害認定日に通院しておらず障害認定日の診断書が提出できなかったことで遡及請求が認められなかったケースがあります。このケースでは、審査請求で血友病の症状は生涯不変であることなどを資料として提出し、その点を審査請求書の理由欄にも記載した結果、審査請求が認められています。

 


4 審査請求は期限に注意!

最後に、審査請求を行う上で絶対に注意しなければならないのが、「期限」です。

 

4-1 審査請求は3ヶ月以内に行う必要がある

審査請求は、裁定請求に関する決定が届いた日の翌日から3か月以内に行う必要があります。
1日でも遅れると受け付けてもらえませんので余裕をもって準備しましょう。

 

4-2 審査請求の結果に不服の時も期限に注意!

審査請求で思ったような結果が出なかったときは、再審査請求を行う方法と、国に対する訴訟に進む方法を選択できます。
どちらも期限があるので注意が必要です。

再審査請求を行う方法を選択する場合、審査請求に関する決定が届いた日の翌日から2か月以内に行う必要があります。
国に対する訴訟を選択する場合、審査請求に関する決定が届いた日の翌日から6か月以内に行う必要があります。
どちらも、1日でも遅れると受け付けてもらえませんので余裕をもって準備してください。

 


5 まとめ

今回は、審査請求の手続きの流れや審査期間についてご説明したうえで、審査請求書の理由の書き方のポイントとして以下の点をご説明しました。

ポイント1:裁定請求が満足いく結果にならなかった理由を把握する。
ポイント2:初診日不特定による不支給の場合は初診日の特定がポイント。
ポイント3:障害の程度の判断に不服の場合は診断書を修正するかどうかが重要なポイント。
ポイント4:障害認定日の症状の程度が不明とされた場合は、症状についての主張がポイント。

ポイントを踏まえた審査請求を行えば、成功の確率は格段にあがります。
最初の請求の判断に不服がある人は、期限に注意したうえで、あきらめずに審査請求されることをおすすめします。

 

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