障害年金の初診日を第三者証明で証明するための3つのポイント

悩みを解決したい男性

「初診日に関する第三者からの申立書」を通称で、「第三者証明」と呼んでいます。

障害年金を申請する病気やケガのために初めて病院を受診した日(初診日)の証明資料が集められない時に、第三者に記入してもらう書類ですが、ただ頼んで書いてもらい、提出するだけでは障害年金は受給できません。

たった1枚の書類ですが内容によっては資料として使えなくなってしまう、非常に重要な書類です。

今回はこの書類の作成を依頼する方法や、書き方について詳しくご説明します。

 

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1 第三者証明とは

この書類は、請求者が「初診日」を確認できる医療機関の証明(受診状況等証明書)などを提出できない場合、初診日頃の医療機関の受診状況を見たり聞いたりした【第三者】が当時知っていた内容から、初診日を特定できるか、年金機構が審査するための書類です。

【第三者証明の重要ポイント】

  • 原則2名以上の人に作成してもらう必要がある
  • 書ける人が限定されている
  • その他初診日を推定できる参考資料と一緒に提出する必要がある

【初診日の証明に関するその他の参考資料とは】

第三者証明を提出する場合は、以下のような資料の写しと一緒に提出することが望ましいです。

これらを提出するのは「初診日」の日付を特定してもらうためですので、できる限り受診した日がわかるものを探して提出しましょう。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、手帳申請時の診断書
  • 生命・入院保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録(レセプトも含む)
  • お薬手帳、糖尿病手帳、領収書、診察券
  • 小学校・中学校などの健康診断の記録や成績通知表
  • 盲学校・ろう学校の在学証明、卒業証書
  • 初診病院の次の病院のカルテ       など

 


1-1 第三者証明は書ける人が限定されている

第三者証明が書けるのは、請求者の親族(請求者からみた三親等以外)、友人、知人、初診日頃に請求者を直接診た医師、看護師、その他医療従事者です。

【請求者からみた三親等とは】

請求者からみて、父母・子・配偶者の父母(一親等)、兄弟・祖父母・孫・配偶者の兄弟・配偶者の祖父母(二親等)は三親等以内の人ですので、第三者証明を書いても無効になります。

これらから除かれる、請求者からみた甥姪、叔父叔母、いとこであれば有効です。

特に、初診日頃に請求者を診た医師、看護師、その他医療従事者が書いた第三者証明は、信ぴょう性が高ければその他の参考資料がなくても初診日を認定する資料として扱われますので非常に有効です。

また、第三者証明は原則2名以上に記入して頂く必要がありますが、この場合は1通で可能です。

難しいケースではありますが、初診日頃の主治医や看護師を探して書いてもらうことができれば、その他の参考資料を探して提出する手間が省けます。

続いて、第三者証明の具体的な記入方法についてご紹介していきます。

 


2 使える第三者証明を作るための3つのポイント

前提として、第三者証明として使用できる内容は、請求者や請求者の家族から最近聞いた情報ではなく、申立者(第三者証明を記入する方を指します)が見たり聞いたりした当時に知った内容のみです。

聞いた話を申し立てる場合は、直近5年以内に聞いた話は使用できないので注意してください。

次の項目から、日本年金機構が出している案内「第三者証明を記入される方へ(PDF)」にそって、第三者証明の書き方をご説明していきます。

 

2-1 請求者の受診状況を知ったきっかけについて

請求者の受診状況について、「1.直接見て知りました。」または「2.請求者や請求者の家族などから聞いて知りました」のいずれかを選択して記入します。

病院を受診しているのを直接みた(受診の付き添い、病院で会ったなど)場合は1を、請求者が病院を受診している当時、請求者やその家族が申立者にその病院を受診していること聞いて知った場合は2を選びましょう。

なお、2を選んだ場合は、その事実を聞いた時期を記入する必要があります。年月日の記入欄がありますが、詳細がわからなければ年月まででも大丈夫です。

 

2-2 請求者との関係について

請求者との関係について、「見た(聞いた)」当時の関係と、現在の関係を記入します。

この欄は、請求者からみた三親等以内の親族でないことを確認する欄ですので、たとえば請求者の知人、近所の人などはどのように記入しても間違いではありません。

 

2-3 傷病名などの項目について

これら4つの項目のうち、記入できない項目があっても提出することは可能です。
ただし「初診日」「医療機関名」はできる限り記入してあるとよいでしょう。

〇傷病名は、申立者が見た・聞いた当時の病名を記入してください。

〇初診日は、申立者が見たり聞いたりした当時に知った日付を記入してください。
 日付は「何年何月頃」といった記載でも構いません。

〇医療機関名・診療科、所在地についても、申立者が見たり聞いたりした当時に知ったものを記入してください。所在地について明確にわからなければ、市町村区まででも構いません。

 

2-4 申立者が知っている当時の状況等について

障害年金を請求する病気やケガに関し、以下の項目について、見たり聞いたりして知った当時の情報をもとに記入してください。(記入できない項目があっても問題ありません)

①申立者が請求者の初診日頃の受診状況をどのようにして知ったのか

②請求者の病気やケガが発生してから、初めて医療機関を受診するまでの間の具体的な症状

③請求者が初めて医療機関を受診したきっかけ(原因や理由)

④初診日頃における請求者の日常生活について、病気やケガの影響により、日常生活を送る上でどのような支障があったのか

⑤医師から請求者に伝えられた、日常生活・学生生活・勤務などにおける指示の内容

なるべく詳しく、具体的に記入することで、申立て内容の信ぴょう性が上がります。(記入例を作成してみましたのでご参照ください。(PDF))

2-1から2-4の項目まで記入し終えたら、最後に作成した日を【申立日】の欄に記入し、申立者の住所、連絡先、氏名を記入し捺印します。

 


3 第三者証明作成の依頼方法

続いて、第三者証明作成の依頼方法をご説明します。

 

3-1 記入してほしい理由をきちんと伝える

用紙を突然目の前に出されて、「書いてください!」とお願いされるような街頭アンケートのように、理由も言わず「書いてほしい」と伝えても、相手はなかなか動いてくれません。

必ず、「なぜ第三者証明を書いて欲しいのか」、「どうしてその人に書いて欲しいのか」といったことを伝えましょう。

「障害年金の請求に必要な書類だから書いて欲しい」、「この頃(初診日頃)のことを知っている人しか書けない」、「書いてもらうことができなければ申請できない」ので、協力してほしいと、詳しく伝えるとよいです。

 

3-2 第三者証明の書き方を説明する

第三者証明の用紙と一緒に、年金機構から出ている下記書類を渡しましょう。
第三者証明を記入される方へ(PDF)」

また、ご参考程度に弊事務所でお渡ししている記入例をご紹介します。
この記入例にそって記入してもらえるとよいでしょう。
第三者証明記入例(PDF)」

口頭での説明のみではなく、繰り返し読めるような書類を一緒に渡すと、申立者が確認しながら記入することができ安心です。

また、書類の下部に「後日申立て内容について、申立者に確認する場合があります」といった記載がありますが、筆者の事務所で確認した限りではほとんど電話がかかってくることはありません。

ただし念の為、日中つながりやすい電話番号を記入してもらうようにしましょう。

 


4 第三者証明で申請は通る?

第三者証明としては、やはり「初診日頃に請求者を直接見ていた医師、看護師などの医療関係者」の申立が、受給への1番の近道です。

「医証(医療機関による証明)」とみなされるので、第三者証明以外の参考資料がなくても十分な証明になりえます。

その他、請求者のケースによって第三者証明がどのくらい強い資料になりえるのか変わりますので、以下をご参照ください。

 

4-1 請求者の初診日が20歳前の場合

請求時にはできる限り、初診日を推定することができるその他の資料を提出することが望ましいです。ただし20歳前に初診日がある場合、

  • 支給するのは障害基礎年金のみであること
  • 少なくとも20歳前に病院を受診していたことがわかれば支給できることをふまえて、第三者証明のみでも請求が通る場合があります。

ただ実際には、第三者証明のみを参考資料として提出した場合、受給できる確率は高くないでしょう。

現状、年金機構は第三者の記憶を基に申し立てた初診日よりも、客観的に確認できる病院などの機関の証明書を非常に重要視している傾向にあると考えます。

もしも20歳前に初診日があり、提出できる参考資料が第三者証明しかない場合は、できる限り信ぴょう性の高い第三者証明を2枚以上提出するようにしてください。

 

4-2 請求者の初診日が20歳後の場合

20歳後に初診日がある場合、初診日に加入していた制度が国民年金か、厚生年金かで受給できる金額が大きく変わります。そのため、できる限り「何年の何月か」もしくは「何年のいつ頃の季節か」は特定しなければなりません。

またこのケースは第三者証明以外の、初診日を推定することができるその他の資料が提出できなければ受給は非常に難しい傾向にあります。

可能な限り年月まで特定された参考資料を探し、補足資料として第三者証明を提出しましょう。

 

4-3 請求者の初診日が昭和61年3月31日以前の場合

現行の障害年金制度は、初診日が証明できれば支給する、といった「初診日主義」をとっています。

一方で法改正が行われる前、昭和61年3月31日以前は発病日が証明できれば支給する、といった「発病日主義」をとっていました。

もしも昭和61年3月31日以前に初診日があるのであれば、発病もおのずとその前にあることになりますので、最低でも初診日が昭和61年3月31日により前にあることが証明できれば受給できる可能性があります。

ただし発病日時点で厚生年金に加入していた場合は、厚生年金加入期間に発病していたことを証明する必要がありますので、やはり参考資料の提出が重要です。

 

4-4 実際に第三者証明を提出して受給できた3つのケース

弊事務所にご依頼いただき、第三者証明を提出して受給できたケースを3つご紹介します。

 

(1)精神疾患で障害厚生年金が受給できたケース

来所時依頼者は40代でしたが、初診日は25歳の時でした。20年近く前の初診証明ですのでご自身での請求に限界を感じられてご依頼いただきました。

精神疾患では、薬の作用を確認するために血液検査をおこなうことがあります。

この血液検査の結果が、ご実家の自室に保管されていた手帳から見つかり、資料として提出しました。

血液検査の結果に病院名の記載がなかったため、補足資料として、ご兄弟の友人と当時の職場の同僚に第三者証明を作成してもらい、受給に至りました。

 

(2)糖尿病性神経障害で障害基礎年金が受給できたケース

請求者は40代の方で、糖尿病性の神経障害で右腕に感覚麻痺があり、ほとんど動かすことができない方でした。

相談時の聴き取りで、糖尿病と診断を受けたのは中学生の時と判明しました。

初診病院は廃院になっており、手元にある資料は病院名と日付のみ記載された領収書しかなかったので、第三者証明で、当時の傷病名や症状、日常生活状況を申し立てました。

初診病院は自宅近所のクリニックで、お母様が看護師として働いていたこともあり、お母様のご友人で、当時看護師として働かれていた方に作成してもらうことができました。

 

(3)慢性腎不全で障害厚生年金が受給できたケース

会社の健康診断で、尿たんぱくの数値を指摘されていたケースです。

請求者は申請日時点で60歳を超えていらっしゃいました。

初診日が昭和55年と推測できたため、「発病日」を証明できれば受給できます。

幸い、病院名や初診日が記載された診察券をお持ちでしたが、診療科や病状を申し立てる為、会社の元同期の方にご協力いただき、第三者証明も提出しました。

 


5 まとめ 

ここまで、第三者証明の書類についての説明と、第三者証明を使用して実際に障害年金が受給できるのかについて言及しました。

弊事務所で代理請求した件でも、参考資料が第三者証明だけで受給できたケースはほとんどありません。

また障害年金請求は1回目の申請で不支給になってしまうと、2回目以降の申請で不支給時の申請書類が認定作業の足をひっぱってしまうため、2回目以降の申請で受給することが非常に難しくなっています。

できる限り1回目の請求で受給を成功させることが重要ですので、資料の準備に行き詰っているのであれば、障害年金専門の弁護士や社労士に相談しましょう。