障害年金の金額はいくら?受給額の決まり方や計算方法を解説

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障害者の生活を支えてくれる制度の1つに障害年金があります。でも実際障害年金っていくらもらえるのか気になりますよね。

今回は障害年金のおおよその金額から計算方法まで解説します。

 

1.障害年金っていくらもらえるの?

障害年金の金額はすべての方が一定の額ではなく、病気やケガのために初めて病院を受診した日(初診日)に加入していた年金制度や、障害の程度等の様々な要因によって異なります。

障害年金には初診日に加入していた年金制度によって2つの種類があります。

障害基礎年金

<支給対象>

〇病気やケガのために初めて病院を受診した日の加入年金制度が国民年金の方

  • 自営業、アルバイト、学生等
  • 厚生年金加入者の配偶者(第3号被保険者)
  • 20歳より前に初診日があり年金に加入していなかった方(先天性疾患等)
障害厚生年金

<支給対象>

〇病気やケガのために初めて病院を受診した日に厚生年金に加入していた方

※20歳より前に初診日があっても、厚生年金に加入していれば障害厚生年金の対象者です。

 

2.障害基礎年金の金額

初診日に国民年金に加入していた場合は障害基礎年金の対象になります。障害基礎年金では、障害等級の1級又は2級に該当した場合のみ障害年金が支給されます。

障害基礎年金の支給額について以下の表にまとめましたのでご参照ください。

〇障害基礎年金
等級 支給額 18歳未満の子(20歳未満で障害のある子も含む)
1人 2人 3人
1級 年間974125
(月額 81,177円)
年間1198425 年間1422725 年間1497525
2級 年間779300
(月額 64,941円)
年間1003600 年間1227900 年間1302700

 

障害基礎年金の金額は、以下の2つの要素で決まります。

 

  • (1)障害の程度
  • (2)子どもの有無

 

ここからはこの2つの要素について詳しくご説明します。

 

2-1 障害の程度

障害年金では障害の程度によって「このくらいの障害の程度であれば〇級相当」と基準が定められています。この基準のことを「障害認定基準」と言います。障害年金はこの障害の等級によっても金額が変わってきます。

各等級に該当する障害の程度はおおまかに言えば以下の通りです。

等級 障害の程度
1級

一人では日常生活を送ることが不可能な状態
【例】

  • 遷延性植物状態であるもの
  • 心臓移植を受けたもの
  • 人工心臓を装着したもの
2級

日常生活が著しい制限を受けている状態
【例】

  • 人工透析療法を施行中のもの
  • CRTCRT-Dを装着したもの

 

ここであげた傷病はごく一例です。詳しい基準をお知りになりたい場合は、障害認定基準をご確認ください。

 

▶参考情報:障害年金の認定基準とは?等級ごとにわかりやすく解説【まとめ版】

 

2-2 子どもの有無

障害基礎年金の場合、受給者に18歳未満の子(若しくは障害のある20歳未満の子)がいると通常の年金に加えて支払われる年金があります。これを障害年金の子の加算といいます。

加算を受けるためには一定の条件があります。以下の条件をすべて満たした場合に加算がつきます。

 

  • (1)障害年金1級又は2級の受給権者であること
  • (2)生計同一関係があること
  • (3)加算対象者の年収が850万円未満(または所得が655.5万円未満)であること
  • (4)加算対象の子が18歳未満であること(障害のある子は20歳未満であること)

 

条件を満たした場合、通常の障害年金に加えて以下の加算を受けることができます。

 

1人目・2人目まで 年間22万4300円(1人あたり)
3人目以降 年間7万4800円(1人あたり)

 

子の加算について詳しくはこちら

▶参考情報:障害年金の子の加算について

 

これらの要素を加味して、障害基礎年金の支給額が決定します。

 

3.障害厚生年金の金額について

初診日に厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金の対象になります。障害厚生年金では、障害等級の1~3級に該当した場合に障害年金が支給されます。それに加えて障害年金の支給に該当しない障害の程度であっても障害手当金という一時金が支給される場合があります。

障害厚生年金の支給額について以下の表にまとめましたのでご参照ください。

 

〇障害厚生年金
等級 支給額
1級 報酬比例の年金額×1.25+障害基礎年金1級(年間974125円)
2級 報酬比例の年金額+障害基礎年金2級(年間779300円)
3級 報酬比例の年金額(最低保障額 年間584500円)
障害手当金 報酬比例の年金額の2年分(最低保障額 1169000円)

 

※報酬比例の年金額とは…個々の方のこれまでの給与額や厚生年金の加入月数に応じて支給される年金のことです。報酬比例の年金額については「3-3 障害認定日までの給与額と厚生年金の加入月数」で詳しくご説明します。

障害厚生年金の額は、以下の3つの要素で決まります。

 

  • (1)障害の程度
  • (2)配偶者や子どもの有無
  • (3)障害認定日までの給与額

 

ここからはこの3つの要素について詳しくご説明します。

 

3-1 障害の程度

障害年金では障害の程度によって「このくらいの障害の程度であれば〇級相当」と基準が定められています。この基準のことを「障害認定基準」と言います。障害年金はこの障害の等級によっても金額が変わってきます。

各等級に該当する障害の程度はおおまかに言えば以下の通りです。

等級 障害の程度
1級

一人では日常生活を送ることが不可能な状態
【例】

  • 遷延性植物状態であるもの
  • 心臓移植を受けたもの
  • 人工心臓を装着したもの
2級

日常生活が著しい制限を受けている状態
【例】

  • 人工透析療法を施行中のもの
  • CRTCRT-Dを装着したもの
3級

労働が制限を受けている状態
【例】

  • 24時間在宅酸素療法を施行しているもの
  • ペースメーカー、ICD、人工弁を装着したもの

ここであげた基準はごく一例です。

詳しい基準をお知りになりたい場合は、障害認定基準をご確認ください。

 

▶参考情報:障害年金の認定基準とは?等級ごとにわかりやすく解説【まとめ版】

 

3-2 配偶者や子どもの有無

障害厚生年金では、受給者に配偶者や18歳未満の子がいると通常の年金に加えて支払われる年金があります。これを障害年金の配偶者加給年金や子の加算といいます。

加算を受けるためには一定の条件があります。以下の条件をすべて満たした場合に加算がつきます。

 

  • (1)障害年金1級又は2級の受給権者であること
  • (2)生計同一関係があること
  • (3)加算対象者の年収が850万円未満(または所得が655.5万円未満)であること
  • (4)加算対象の子が18歳未満であること(障害のある子は20歳未満であること)
  • (5)加算対象の配偶者が障害年金や老齢年金、退職年金等を受け取っていないこと
  • (6)加算対象の配偶者が65歳未満であること

 

条件を満たした場合、通常の障害年金に加えて以下の加算を受けることができます。

 

配偶者加給年金
一律 年間22万4300円
子の加算
1人目・2人目まで 年間22万4300円(1人あたり)
3人目以降 年間7万4800円(1人あたり)

 

配偶者の加給年金について詳しくはこちら

 

▶参考情報:障害年金の配偶者加算について徹底解説

 

子の加算について詳しくはこちら

 

▶参考情報:障害年金の子の加算について

 

3-3 障害認定日までの給与額と厚生年金の加入月数

3章であげた障害厚生年金の支給額のうち、報酬比例の年金額は障害年金の請求者の障害認定日までの給与額と厚生年金の加入月数によって決められます。

障害認定日とは、「原則病気やケガのために初めて病院を受診した日から1年6ヵ月後」のことです。

報酬比例の年金額の計算式は以下の通りです。

 

報酬比例の年金額の計算式

平均標準報酬月額×7.1251000×平成153月までの被保険者期間の月数

平均標準報酬額×5.4811000×平成154月以降の被保険者期間の月数

 

詳しい計算方法については日本年金機構のホームページでご確認ください。

 

▶参考情報:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法

 

いずれにしてもかなり複雑な計算式になりますし、ご自身でこれまでのすべての給与額を把握されている方はいらっしゃらないと思います。

報酬比例の年金額はお近くの年金事務所で計算してもらうことができますので、お近くの年金事務所へ問い合わせをされることをおすすめします。

これらの要素を加味して、障害厚生年金の支給額が決まります。

 

4.まとめ

今回は障害年金の金額についてご説明しました。

 

障害基礎年金の場合は、以下の2つの要素によって障害年金の支給額が決定します。

 

  • (1)障害の程度
  • (2)18歳未満の子どもの有無

 

一方、障害厚生年金の場合は、以下の4つの要素によって障害年金の支給額が決定します。

 

  • (1)障害の程度
  • (2)18歳未満の子どもの有無
  • (3)配偶者の有無
  • (4)障害認定日までの給与額と厚生年金の加入月数

 

障害年金は決して少ない金額ではなく、障害年金を受給できるかできないかで生活は大違いです。申請したからといって、全員が受け取ることができるものではありませんが、障害によって日常生活や仕事に支障が生じている方は、一度申請されてはいかがでしょうか?

 

 

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障害年金の制度を患者の方にお伝えいただく目的で使用いただくのであれば、無償で利用していただいて結構です。
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  • この記事の監修者
  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
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