なぜ更新期間が短いのか?障害年金の更新期間の決まり方について

  • ツイート
  • シェア
  • はてブ
  • LINEで送る
  • Pocket

障害年金に強い社労士を
都道府県から探す

障害年金の更新は、お金も手間もかかる手続きです。
更新の期間が短く感じて、納得できないという方も多いのではないでしょうか。

更新期間の決まり方については、年金事務所から明確なルールの発表がされておらず、わかりにくいのが現状です。
そこで、今回は、障害年金の認定に取り組んでいる咲くやこの花法律事務所の認定実績を分析して、更新期間のルールについてご説明します。

記事を読んでいただければ、更新期間の決まり方について理解を深めていただけると思います。

1 精神疾患は1年から3年、人工透析は2年から5年が多い。

障害年金は1年から5年の更新制が原則です。
障害年金が認定された場合に届く年金証書には、通常、次回の診断書提出月が記載されています。
その場合、次回の診断書提出月に年金を更新できるかどうかが審査されるのです。

更新の期間について、年金事務所から公式なルールとして公表されているものはありません。
申請の多い障害について、咲くやこの花法律事務所での実際の認定結果を集計すると、認定後の最初の更新期間については、おおむね以下の通りとなっています。

障害の種類 病名 認定後の最初の更新期間
精神の障害 うつ病、統合失調症、双極性障害 1年から3
発達障害 2年から3
知的障害 2年から3
身体の障害 脊髄損傷 3年程度
手足の離断(事故や先天性の疾患で手足がない場合) 永久認定が多い
関節リウマチ 1年から2
人工関節や人工骨頭の挿入 永久認定が多い
がん 2年程度
直腸がんによる人工肛門装着 2年から3
眼の障害 網膜色素変性症 2年から3
心臓の障害 心臓疾患によるペースメーカー装着 1年から2
腎臓の障害 腎臓疾患による人工透析 2年から5
てんかん 2年程度

例えば精神疾患の場合でも、1年の場合から3年の場合まで幅がありますが、どのような基準で1年にするか3年にするかが決められているのかについては、公表されていません。

最初の更新期間は比較的短く設定されており、最初の更新で症状に変化がないことが確認された場合は、2回目以降は更新期間が比較的長く設定される傾向になっています。

 

2 更新のない人はわずか3パーセント程度!

事故や先天性の疾患で手足がない場合や、人工関節、人工骨頭などを入れている場合のように固定的な障害については、更新がありません。

このように更新がないケースを永久認定といいます。
永久認定は割合としてはごくわずかで、障害年金受給者全体の3%程度です。

人工肛門や脊髄損傷あるいはペースメーカー装着といった状況が変わりにくいと思われる障害についても更新期間が設定されることがほとんどになっています。

 

3 障害年金が更新制となっている理由

うつ病や統合失調症など、症状が変化する障害について更新制になっているのは、症状が変化している場合は年金機構が等級の変更を検討し、場合によっては支給を打ち切るためです。

では、脊髄損傷や人工肛門、ペースメーカー装着といった状況が変わりにくい障害についても更新期間が設定されているのはなぜでしょうか?
これについても、はっきりしたことは公表されていませんが、以下のことが理由と考えられます。

理由1:脊髄損傷などの障害は、障害への慣れや、加齢などによって、日常生活への支障の程度が変化すること。

理由2:直腸がんによる人工肛門装着などの障害については、最初の認定後に障害の程度が重くなる場合があり、その場合等級の変更が必要なこと。

理由3:ペースメーカー装着などの障害については、認定基準により、1年から2年程度経過観察のうえ、等級を再認定することが定められていること

このような理由から脊髄損傷や人工肛門、ペースメーカー装着といった状況が変わりにくい身体障害のケースでも、更新制となっていることがほとんどです。

 

4 あなたの障害年金の更新期間は年金証書で確認できる。

あなたの障害年金の更新期間は年金証書で確認することができます。

年金証書の右下の「障害基礎年金の障害状況」あるいは「障害基礎・障害厚生年金の障害状況」の欄に「次回診断書の提出年月日」として、次回の更新の時期が記載されています。
この欄に「**年**月」と記載されている人は、永久認定で、更新の必要がありません。

更新月は受給者の誕生日月に設定されています。ただし、初診日が20歳より前の人については7月です。
診断書の提出期限の少し前に年金機構から診断書の用紙が郵送されてきますので、医師に診断書の作成を依頼しましょう。

5 2回目以降の更新期間は更新のときにはがきで通知される。

2回目以降の更新期間については、前回の更新の際に年金機構からはがきで通知されているはずです。
はがきをなくしてしまって、わからなくなった場合は、年金事務所に尋ねれば教えてくれます。

 

6 まとめ

今回は、障害年金の更新期間の決まり方についてご説明しました。
自身の更新期間を把握し、更新が近づいたら、余裕をもって準備していきましょう。
更新の手続きをしないと障害年金の支給が停止されますので注意してください。

 

患者団体や病院の方へ

患者団体や病院の方、あるいは報道機関から、この記事を利用したいとのお問い合わせをいただくことがあります。
障害年金の制度を患者の方にお伝えいただく目的で使用いただくのであれば、無償で利用していただいて結構です。
ただし、以下のルールを必ず守っていただきますようにお願いいたします。

 

  • 記事は修正しないでそのまま使用してください。
  • 咲くやこの花法律事務所の記事であることは使用の際に明示をお願いいたします。
  • 紙媒体での使用のみとし、記事をインターネット上にアップロードすることは禁じます。
  • 患者団体または病院関係者、報道機関以外の方の使用は禁じます。

障害年金に強い社労士を
都道府県から探す

  • ツイート
  • シェア
  • はてブ
  • LINEで送る
  • Pocket
  • この記事の監修者
  • 西川 暢春
  • 西川 暢春

    弁護士法人
    咲くやこの花法律事務所
  • 出身地:奈良県 出身大学:東京大学法学部卒業。事務所での精神疾患、知的障害、身体障害に関する障害年金の相談経験、請求実績を活かし、障害年金に関する情報を継続的に発信中。
「咲くや障害年金相談室」トップページへ戻る
「咲くや障害年金相談室」トップページ  >  その他のお役立ち  >   なぜ更新期間が短いのか?障害年金の更新期間の決まり方について

信頼されるサイトとして
取り組んでいること

「咲くや障害年金相談室」サイトに掲載希望のパートナー社労士事務所の募集

「咲くや障害年金相談室」
サイトに掲載希望の
パートナー社労士事務所の
募集

現在、「咲くや障害年金相談室」では、数多くの障害年金申請の代行に関するご相談をいただいております。

そこで、より多くの方をサポートできるように障害年金に強い全国のパートナー社労士事務所を募集しています。

「咲くや障害年金相談室」サイトに掲載希望をされる社労士の方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。
掲載内容や掲載プラン等について詳しくご説明させていただきます。 掲載をご希望の社労士の方
こちら
障害年金に強い社労士を探す 障害年金のもらい方をわかりやすく解説!お役立ちコラム